奥州・金ケ崎

農福連携 互いに利点 障害者就労訓練、労働力不足解消 県、社協が視察研修【奥州】

農福連携先進地視察研修で、福祉施設を見学する参加者

 県南広域振興局農政部と県社会福祉協議会は22日、奥州市江刺区内で農福連携先進地視察研修を開いた。関係者が農作業視察や福祉施設見学、先進的事例の共有を通じて「農福連携」の推進に理解を深めた。

 同部では、障害者の就労訓練や農業分野における労働力不足解消につなげるための取り組みを実践。県社協も2017年度から、県の委託で「アドバイザー派遣」「農福連携マルシェ」といった事業を進めている。

 視察研修には、障害者福祉サービス事業所やJA、行政関係者ら約30人が参加。同区伊手の菅野農園(菅野千秋代表取締役)では、実際に働いている江刺寿生会利用者によるリンゴの収穫、蜜入り選別などの作業状況を視察した。

 同区岩谷堂の江刺総合コミュニティセンターに会場を移し、同会運営の就労継続支援B型事業所ワークセンターわかくさ、えさしふれあい工房の2カ所を見学。事例紹介では同部や福祉事業所、農家の担当者が実践的な取り組みを語った。

 ワークセンターわかくさの高橋英絵主任は「普段の作業との違いや遠出が興味を誘い、『また行きたい』と言う人もいた」と、農業に携わることで感じた利用者の心境の変化を紹介。受け入れる側の菅野代表取締役は「作業に職員が帯同してくれることで、期待以上の成果がある。なくてはならない存在になった」と担い手としての期待を口にした。

 県社協福祉経営支援部の吉田淳農福連携コーディネーターは「農家や施設の見学などの触れ合いはあまりないと思うので、こうした機会を通じた理解が必要になる。今後も連携の取り組みを進め、良い事例をつくっていきたい」と話していた。

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