台湾と短編映画合作 奥州市 市民参加しロケ始まる
奥州市と台湾合作のショートムービーのロケが27日、市内で始まった。台湾の若い女性が母親が生まれ育った同市で自分を見詰め直すというストーリー。市民はキャストやスタッフとして参加し、台湾のスタッフと協力しながら撮影に臨んでいる。
作品タイトルは「蘋果餅(アップルパイ)」。台湾の若い女性が幼い頃に暮らしていた同市を舞台に、当時の幼なじみと一緒に亡くなった母親の思い出の場所を訪ね歩く「自分探し」を描いたヒューマンドラマ。主人公の「ニコ」役を務めるのは台湾での公募オーディションで選ばれたTeresaさん(25)。幼なじみ役やエキストラなどキャストをはじめ、スタッフを市民が務める。上映時間は15分程度。
初日は、同市江刺区の「蔵町モール」で主人公が幼なじみと会うシーンなどを収録。監督が出演者に演技指導を行うなど緊張感が漂う中で撮影が進められた。
日本大で映像について学んだ李孔尉監督(37)は「撮影初日でわくわくし、テンションが上がっている。多くの市民の皆さんに協力してもらい感謝している。市民の気持ちに応えるためにも、良い作品に仕上げたい」と話した。
主人公の幼なじみ「三枝薫」役の飯森千加さん(23)=同市江刺区=は制作コーディネーターも務めており、「奥州市の良いところを台湾の人たちに伝えたい。ロケ地は市内全域で満遍なく選定した。演技は経験ないが、役に成り切って一生懸命に演じたい」と意気込みを示した。
ロケは12月1日までの計5日間。衣里幼稚園や奥州宇宙遊学館、えさし藤原の郷、日高神社などで行われる。
作品は2018年2月の完成予定で、3月に市民向けの上映会が開かれる。