一関・平泉

「素粒子衝突」「全長縮減」とは 技術セミナー KEK研究者ら解説【一関】

ステージングについても解説されたILC技術セミナー

 次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設実現に向け、いわて加速器関連産業研究会などが主催するILC技術セミナーは28日、一関市山目のベリーノホテル一関で開かれた。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究者らが、ILCの概略や研究で行われる素粒子ビームの衝突に関する技術などを解説。先の国際会議で了承されたILCの段階的な整備「ステージング」についても分かりやすく説明され、産学官関係者らが理解を深めた。

 加速器関連産業への参入促進を図り、ILCへの関心を高めてもらうことを狙いに、同研究会と東北ILC準備室が主催。KEK加速器研究施設教授の早野仁司氏と照沼信浩氏、NECソリューションイノベータ東北支社上級プロフェッショナルの相馬知也氏が講演し、企業関係者、学生ら約70人が参加した。

 このうち早野氏は「ILCイントロダクション」としてILC計画、加速器の設備配置の概要などを紹介。ILC計画については「電子と陽電子を高いエネルギーまで加速し衝突実験を行うことで、未知の素粒子の探索とそこに働く相互作用の測定で宇宙の謎に挑む」とした上で、スイスにある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が円形であるのに対し、ILCは直線であるためにシンプルに素粒子を衝突させることで精密な計測が可能になると説明した。

 カナダで今月開かれた国際将来加速器委員会(ICFA)で了承された全長を約30キロから20キロに縮小して初期投資を抑えるステージングについては、加速器を覆うトンネルも同様に当初は20キロ程度で整備するオプションAと、トンネルは少し幅を持たせて約27キロに設定する同B、最終段階の加速器の長さに合わせてトンネルを約33キロとする同Cが想定されていることを報告。早野氏は日本政府が今後、A~Cの選択も含めてILC建設の可否を判断することになるという見通しを示した。

 「衝突点ビームフィードバック技術」について解説した照沼氏は、直線の加速器では素粒子ビームの衝突が円形よりも難しいことから、ILC建設に向けて直線での衝突の確率を上げていくことが重要と強調しながら、現在進めている技術開発について説明した。参加した企業関係者らは、ILC建設の際に求められる技術に関心を寄せ、熱心に耳を傾けていた。

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