一関・平泉

国産漆、大東でも 新技術導入 産地形成へ期待【一関】

一関市大東町沖田の漆林を視察する浄法寺漆産業の松沢社長(左)ら

 一関市大東町に国産漆の生産地を生み出そうという事業が盛岡市の浄法寺漆産業(松沢卓生社長)と沖縄県名護市の沖縄工業高等専門学校によって進められている。1月中には同社一関大東漆事業所も開設される予定で、国産漆の生産量トップを誇る二戸市に次ぐ産地の形成に向け、地元からも期待の声が上がっている。

 この事業は一般社団法人農林水産業みらい基金(東京都)の補助事業に採択され、2019年度まで3年間で約5000万円の支援を受ける。沖縄高専が開発した「衝撃波破砕技術」を導入し、生産の効率化を図っていく。

 衝撃波破砕技術は結石破砕などの医療分野で使われてきたが、同高専では高電圧の電気放電による衝撃波の発生手法と応用について研究を進めてきた。木の表面や枝などを衝撃波処理で破砕し、遠心分離機にかけて漆液を抽出すると、伝統の手法よりも作業の短期化が図れる。松沢社長は「これまで10年以上育てた木からしか漆が取れなかったが、植樹から5年程度でも十分採取できる」としている。

 大東町で秀衡塗を生産する丸三漆器の青栁真社長は「岩手産漆の生産量が増えるのはうれしい」と歓迎。国内で消費される漆の98%が中国産という現状の中、同社でも国産漆は特別な製品に限定するか、ブレンドして使うことが多いという。「そもそも国内漆の生産量は岩手がトップだということも、あまり知られていない。岩手の漆や漆器の知名度を上げるきっかけにもなるのでは」と期待を込める。

 一関大東漆事業所では、耕作放棄地への漆の植樹や廃校になった小学校の活用も検討しており、事業部長に就く佐藤公一さんは「漆を使った地域の振興も図っていきたい」と意欲を語っている。

▲大東町摺沢の丸三漆器で製造している秀衡塗の漆器

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