菜の花咲かせ歓迎 来月11日開幕、せんまやひなまつり 趣向凝らし飾り制作【一関】
一関市千厩町の第11回せんまやひなまつり(実行委主催)は、2月11日に開幕する。今年も千厩酒のくら交流施設をメイン会場に、商店街に手作りのつるし飾りや年代物のひな壇を展示。見どころは、干支(えと)の戌(いぬ)の置物と精巧な菜の花の布細工で、関係者は「昨年の10回を足掛かりに、新しいことにも挑戦していく」と準備を進めている。
桃の節句に合わせた同町の恒例行事。今年の会期は例年より1日長い3月4日までで、期間中、千厩酒のくら交流施設には蔵サポーターの会が中心となって手作りした飾り物や年代物のひな壇を展示する。子供お茶会や千厩高校筝曲部、吹奏楽部の演奏会のほか、人形供養祭、マルシェなどのイベントが土日・祝日を中心に開催される。
商店街の店頭にも住民が手掛けたつるし飾りを設置。参加55店舗を巡る恒例のスタンプラリー、関連イベントの「駅からハイキング」なども継続開催する。
実行委の中心として準備を進める蔵サポーターの会は、2017年6月から制作を始め、月2回会員が集まって呼び物の飾り物を作ってきた。今年は干支の戌がテーマで、1メートル四方の“横綱犬”と100点以上の犬の置物を用意。このほか、「リニアコライダーの里・一関」を掲げ、一関市の花としても知られる菜の花の布細工を準備。3センチ四方の黄色い布を組み合わせ、1万個以上の花を会員が全て手作業で仕上げている。
同会の佐藤福子さん(72)は「菜の花は花びらを一つ一つ開かせる作業が大変だったが、めどが付いたので一安心。ひなまつり後には盛岡のデパートでの展示もあるのでそちらも楽しみ」と話す。
同まつりは08年にまちおこしの一環としてスタート。第10回の昨年は節目の祭りを盛り上げようと、関係機関・団体がPRに力を注ぎ、千厩酒のくら交流施設の来場者が初の1万人を超えた。今年のひなまつり開幕前には、東京都の都営地下鉄の中づり広告としてポスターが掲示されることが決まっている。
同会の昆野洋子会長は「会員の高齢化という課題はあるが、10回の節目を足掛かりにもう一度奮起するつもりで頑張っている。お客さまの喜びが私たちの喜びにつながっている。昨年にも増して良い物を見せられるようにしたい」と語っている。