一関・平泉

今年も「やや不良」 毛越寺・作様 台風の懸念も【平泉】

木箱を振り今年の農作物の豊凶などを占う藤里貫主(中央)

 平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で15日、2018年の農作物の出来や気象などを占う「作様(さくだめし)」が行われた。僧侶9人が1年分の般若心経を唱え、占ったところ、前年と同様に総じて平年並みからやや不良という結果になった。作付けや栽培管理を慎重に行う必要がありそうだ。

 作様は、常行堂の守護神で作物の神として信仰される摩多羅神(またらじん)に豊作を祈願する行事。一から十までの漢数字を振った竹の棒が入っている木箱を使って行われ、藤里貫主が木箱を振って引き出した竹の棒に書かれた数字を基に豊凶や気象などを占った。

 数字が大きいほど農作物の出来は良いとされ、気象などは雨が多く、風が強くなる。

 結果、農作物のうち稲はわせが二分、なかてとおくてが六分でほぼ去年と同じ結果で、平年並みかやや悪い状況。このほかタバコは七分で良いと出たが、大麦は二分、小麦は五分、大豆は二分、小豆は五分、蚕は春が四分、夏が二分、秋が四分などと、稲と同様に平年並みからやや悪いと出た。

 気象は雨が五分で例年並み。風は八分で強く、台風などが懸念されるという。

 作様の結果を受け、藤里貫主は「農作物の数字の合計はここ20年で最低だった17年に次ぐ低い数字で、今年も引き続き(作柄は)良くない。工夫して育てなければならないのでは」と総評。17年産水稲が夏の日照不足や低温の影響を受けたこともあり、「今年も天候を見て、工夫して育てなければならないという感じがする。占いを覆すよう(摩多羅神の祭礼の結願(けちがん)にあたる)二十日夜祭に向けて拝みたい」と話した。

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