一関・平泉

テノール歌手鈴木さん 好きなこと大事に【一関】

鈴木さんが「人とのつながりを大切に」などと語った「歌劇の世界」講座

 第9回「世界遺産・平泉」スピーチコンテストに合わせ、一関市出身のテノール歌手鈴木秀和さん(31)を講師に、「心洗われる『歌劇の世界』」講座が一関市上大槻街のホテルサンルート一関で開かれた。鈴木さんは人生の節目に歌った歌を紹介しながら夢の実現について語り、「人とのつながりに感謝し、大切にしてほしい」とエールを送った。

 鈴木さんは東京芸術大への挑戦を一関一高2年の夏に決めた際のエピソードを紹介。「家業を継がなければならないと思っていたが、音楽にのめり込む自分の姿を見かねた母親が『そっちの道を考えたら』と言ってくれた。衝撃を受け、はっとした。厳しい道を全力でやるならと音楽の道に進むことを家族に認めてもらった」と話した。

 同大ではレベルの高い仲間たちの中で苦悩もあったという。「在学中に高音を出す難しさを感じながらも声を出す研究心がかき立てられた」と、現在につながる自分の生き方を見つけた。

 大学受験やイタリア・ミラノ留学を経てソリストなどの演奏活動とともに、現在はボイストレーニングや合唱団の指導、個人レッスンに当たっている。「研究心や自分が悩んでいたことが指導の中で生きている。強く望めばやってくるものだ。何が好きか、興味があるかを持ち続けると、チャンスに気付くことができる。人とのつながりを大切にしてほしい」とこれまでの生き方で学んだことを語った。

 話の合間には、鈴木さんの高校時代の同級生で大東高教諭の三上華子さんが伴奏を務め、オペラやカンツォーネなど9曲で美声を響かせた。

momottoメモ

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