奥州・金ケ崎

苦難の若者 成長描く 奥州前沢劇場 前沢地ビール誕生物語

苦難を乗り越えて東北初の地ビール醸造に成功した若者の姿が感動を呼んだ奥州前沢劇場

 第18回奥州前沢劇場「むつざくら~前沢地ビール物語」(実行委主催)は18日、奥州市前沢区の前沢ふれあいセンターで行われた。苦難を乗り越えて地ビール醸造に成功した若者の成長する姿を描いた舞台は、詰め掛けた観客の感動を誘った。

 「むつざくら」は菊地榮治さん(同区在住)の原作で、東北初のビール製造が前沢だったとする旧前沢町史の記事を基にした創作劇。

 舞台は明治10年代。村木屋酒造の跡取り息子・村木宏太郎が、父親から頼まれた配達で石巻支店に船便で向かうが、船が難破して仲間が全員亡くなる。助かった宏太郎はビールを飲んで元気を取り戻し、ビール醸造を誓う。開発に悩む中、ホップに変わるバッケ(フキノトウ)を採りに行った祖母が崖から転落し亡くなるが、祖母の思いや幼なじみのおくみに支えられ、地ビール開発に成功する。

 ラストシーンでは、地ビール醸造の成功を喜ぶ人々に囲まれながら宏太郎やおくみらが出荷を見送る。幼かった宏太郎がさまざまな出来事を経験しながらたくましく成長していく姿に、観客は盛んな拍手を送っていた。

 髙橋淳子さん(61)=同市水沢区笹森谷地=は「毎年楽しみにしている。近くに住んでいても知らないことが多く、舞台を通じて前沢の人や歴史を勉強できる。今回はビールが前沢で初めて造られたことが分かった。飲んでみたいと思った」と話していた。

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