花巻

湯気上げ 雪道転げ 五大尊蘇民祭 64人が争奪戦【花巻】

五大尊蘇民祭で蘇民袋を激しく奪い合う参加者

 花巻市石鳥谷町五大堂の光勝寺(佐藤宥弘住職)に伝わる五大尊蘇民祭は22日行われ、五穀豊穣(ほうじょう)や厄よけを願い、下帯姿の男衆が蘇民袋をめぐって激しい肉弾戦を繰り広げた。

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 御神火奉納、大護摩祈祷厳修などに続き、午前11時ごろ、麻袋が男衆の中に入り、64人の参加による争奪戦が始まった。

 板札入りの蘇民袋に群がる参加者は「ジャッソー」と大きな掛け声を上げ、雪の積もる坂道を下りながら激闘を展開。雪を掛けられて体から白い湯気が立ち上ったり、もみ合いの上から福銭がまかれたりする光景をアマチュアカメラマンが追い掛け、境内は熱気に包まれた。

 第一取り主になったのは奥州市胆沢区南都田の岩城秀弥さん(53)。第一取り主は2016年に続き2度目といい、「雪が多くて滑りやすかったが、袋を確認しながら後半に思い切って中に入ったのが良かった。家族全員が健康で過ごせればいい」と喜びに浸っていた。

 花巻市の無形民俗文化財に指定されている五大尊蘇民祭は、1191(建久2)年、国家安全や病魔退散を祈願した護摩法要の際に、配られた護摩餅を参拝者が競って手に入れようとしたことが始まりと伝えられる。1894(明治27)年から無病息災を祈願する365枚の板札が入った蘇民袋を奪い合う現在の形となり、毎年旧暦1月7日に行われている。

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