復興へ祈りと誓い 東日本大震災発生から7年 宮古で合同追悼式
本県で6000人を超える死者・行方不明者(関連死含む)を出し、東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から11日で7年となり、県内各地で犠牲者を悼む行事が開かれた。県と宮古市による合同追悼式は同市磯鶏沖の市民文化会館で行われ、遺族や一般を含め約800人が参列し、犠牲者の冥福を祈るとともに、復興に向けた歩みを進めることを誓った。
合同追悼式には遺族をはじめ、一般参列者、長坂康正復興大臣政務官、国会議員、県議ら来賓が出席。政府主催の追悼式の中継映像が会場のスクリーンに映し出され、参列者全員で震災発生時刻の午後2時46分に合わせて黙祷(もくとう)した。
達増拓也知事は式辞で「県は復興事業の総仕上げを視野に、復興の先を見据えた地域振興に取り組む。今を生きる私たちもまた力を合わせ、『命を守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造』を目指して復興を進めることを誓う」と決意を述べた。
山本正徳宮古市長は「先人たちは幾つもの災害から立ち上がり、この故郷を再生してきた。私たちは強い思いを胸に抱き、必ずや宮古市の復興を成し遂げる。震災で得られた教訓を次世代に伝えるとともに、後世に誇ることができる宮古市を築く」と誓った。
参列者は献花台に花を手向けて手を合わせ、鎮魂と復興への祈りをささげた。
津波で夫を亡くした同市高浜の自営業松舘美知子さん(69)は「7年たち、つらいことも忘れられるかと思ったが、どうしてもあの日が忘れられない。今でも主人のことを思い出すと悲しくなる」と声を詰まらせた。
自宅が被災した同市宮園の無職中村克子さん(73)は「震災で親戚や同級生を亡くした。7年たつが、きのうのことのように思い出す。街も復興してきているので前を向いて頑張りたい」と話した。
県などによると、10日現在で死者5140人(直接死4674人、関連死466人)、行方不明者1116人、負傷者210人、家屋倒壊2万6079棟。1日現在の応急仮設住宅やみなし仮設の入居状況は3550戸、7556人に上る。
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