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スピード施設が完成 県営運動公園 登はん競技場 3種目複合練習可能に【岩手】

国内有数のスピード施設の利用開始をテープカットで祝う関係者=盛岡市の県営運動公園登はん競技場
デモンストレーションでしなやかに壁を登る伊藤ふたば選手

 県が盛岡市の県営運動公園登はん競技場内に整備したスピード施設の利用が1日、始まった。ボルダリング、リードと合わせ、スポーツクライミングの3種目の施設が1カ所にそろったことで、2020年の東京五輪から正式種目となるコンバインド(3種目複合)の練習が可能になる。関係者が国内有数の施設の利用開始を祝うとともに、本県アスリートの競技力向上や地域活性化に期待を寄せた。

 これまで同競技場には、到達した高さを競う「リード」、複数の課題が設けられた壁を登り、完登した数を競う「ボルダリング」の2施設のみで、垂直の壁を登る速さを競う「スピード」施設は整えられていなかった。県は「コンバインド」が正式種目となる東京五輪を見据え、17年10月からスピード施設の整備を進めてきた。

 施設は3月下旬に完成。総工費は約1億円で、競技用パネル(高さ15メートル、幅3メートル)、練習用パネル(高さ8メートル、幅3メートル)を2面ずつ備えている。雨風を防ぐ壁などがある屋外施設は国内初で、3種目そろった公設の競技場としては全国で2カ所目。6月に全国大会「コンバインドジャパンカップ2018」、20年には世界トップレベルの選手が集う「クライミング・アジア選手権」の開催が予定されている。

 同日は現地でセレモニーが行われ、工藤啓一郎県スポーツ振興課総括課長が「(施設完成は)地域活性化や競技力向上につながる。今後は関係者と連携しながら大会を成功に導き、スポーツクライミングの国内屈指の拠点としていきたい」とあいさつ。関係者6人がテープカットを行った。

 本県出身選手によるデモンストレーションも実施。日本山岳・スポーツクライミング協会オリンピック強化選手となっている伊藤ふたば選手(盛岡中央高1年)はしなやかな動きで壁を登り、「国内でも数少ないスピード施設が岩手にできたことで、練習環境が整った。これからどんどん活用し、タイムを伸ばしていきたい」と語った。

 施設の利用対象は小学5年生以上。問い合わせは同事業団=019(641)1127=へ。

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