奥州・金ケ崎

施設の魅力向上へ 奥州・えさし藤原の郷 多言語アプリ活用

スマホを手に妖怪探しゲームを楽しむ親子ら

 奥州市江刺岩谷堂の歴史公園えさし藤原の郷は14日、多言語アプリを活用した園内の施設案内と、妖怪探しゲームの運用を始めた。いずれも来園者がスマートフォンを使って無料で気軽に体験でき、年々増加する外国人観光客らの誘客促進と施設の魅力向上につなげる。

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園内案内と妖怪探し

 平安時代の街並みを再現した国内唯一のテーマパークとして開園25周年を迎える体験型施設の特徴を生かした試み。AR(拡張現実)技術を用いた多言語アプリを活用し、国内外を問わず幅広い年代の人が楽しめる。

▲封印した妖怪キャラクター「ろくろ首」

 案内機能は「政庁」「伽羅御所」など地図上の施設をタップして情報を閲覧できる上、施設に近づくと発信機の電波を自動受信して画面と音声による情報が配信される。

 日本語、英語、中国語(繁体字、簡体字)、タイ語に対応。イベントや土産、食事などの情報、大河ドラマなどのロケ情報も提供する。

 ゲームは、陰陽師(おんみょうじ)が活躍した平安時代にちなみ、妖怪キャラクターを園内各所に仮想配置。スマホのカメラ機能と連動した操作で妖怪を封印することができ、封印した妖怪は閲覧できる。

 妖怪は「座敷わらし」「鬼婆」など岩手や東北の伝説にちなむものを含め18体で、6月末には「河童(かっぱ)」など夏季限定3体が加わる。

 案内、ゲーム両機能が併用できる。スマホは無料で貸し出しもする。事業費は約1887万円(うち東北観光復興対策交付金約1412万円)。

 運用開始のセレモニーが入場ゲート前で行われ、関係者がくす玉を割って新サービスの開始を祝った。小沢昌記市長は「県内で初めての取り組み。常に新しい企画で『やっぱりまた来て良かった』と言われる施設にしたい」と話した。

 招待された市内の児童5人がゲームに挑戦し、園内を散策しながら妖怪探しを楽しんだ。約1時間で全妖怪を封印して妖怪シールを受け取った後藤大智君(広瀬小4年)は「タップするタイミングが難しかったが、慣れるにつれて楽しめた。またやってみたい」、同じく千葉想真君(水沢小5年)も「自分で探し、どんどんこつがつかめて楽しくできた」と達成感に浸った。

 同公園では近年、台湾の団体客を中心に外国人来園者が増加傾向にあり、2017年が約3700人と前年の2倍以上に増え、今年は5000人を見込んでいる。

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