花巻

作品ゆかりの自然満喫 賢治の世界ワークショップ 市民ら胡四王山散策【花巻】

髙橋さん(左)から胡四王山の自然について説明を受けるワークショップの参加者

 花巻市矢沢の宮沢賢治記念館は15日、同館周辺で賢治の世界ワークショップ「胡四王山の散策」を開いた。市民ら15人が自然観察を楽しみ、賢治作品にもゆかりの深い地域の自然に触れた。

 同市桜台の森林インストラクター髙橋修さん(67)が講師を務め、同市高松の宮沢賢治イーハトーブ館を出発。1時間30分にわたって胡四王山を散策し、カラマツやヒノキ、アカマツ、コナラなどの樹木、見頃を迎えたカタクリやシュンランといった草花に親しんだ。

 このうち杉林について髙橋さんは童話「虔十公園林」を取り上げ、「スギの木は先がとがっていればまだまだ大きくなるが、作品に書かれたように頭が丸くなれば伸びなくなる」などと説明。「今の時期は虫も蛇もいなくて歩くのにいい。1カ月後だと風景も全く変わる」と呼び掛けた。

 1945年に花巻厚生病院から延焼拡大した火災で、胡四王山が15ヘクタール焼損したことなど地域の歴史も併せて解説した。

 この日は朝からぐずついた天候となったが、参加者は草花の写真を撮影したりして古里の山に理解を深めた。

 市内に住む姉と一緒に参加した東京都足立区の岸昌子さん(62)は「1人で歩いている時は、植物が気になって後で調べようと思っても忘れてしまう。コブシの花のことなど、いろいろと学べて楽しかった」と話していた。

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