奥州・金ケ崎

運用前に発着訓練 胆沢病院高架式ヘリポート【奥州】

県立胆沢病院に整備された高架式ヘリポートに着陸するドクターヘリ

 高架式ヘリポートが整備された奥州市水沢の県立胆沢病院(勝又宇一郎院長)で20日、ドクターヘリの発着や患者搬送の誘導訓練などが行われた。同日の訓練を踏まえて本格運用される見込みで、救命率の向上が期待されている。

 同日は本格運用前の運航訓練で、矢巾町の岩手医大附属病院の県高度救命救急センターから飛び立ったドクターヘリの発着をはじめ、エレベーターの運転、患者搬送の誘導、周辺への安全確保の呼び掛けなどの訓練が行われ、同病院の職員らはそれぞれの手順を確認した。

 高架式ヘリポートは県と県医療局が整備。2017年4月に着工し、今年3月に完成。県立病院への高架式ヘリポートの整備は大船渡病院に次いで2カ所目。高さは約15メートルで、周囲の安全確保のため大船渡病院より7メートルほど高い。隣接のエレベーター棟とつながり、ストレッチャーに乗せた患者を屋根付きの通路を通って救急処置室に搬送できる。ヘリポート下の1階部分には、会議室や倉庫などが整備されている。

 これまでドクターヘリによる患者搬送には、近くの水沢高校グラウンドを利用しており、救急車で同病院まで搬送していた。着陸に当たっては、ヘリコプターによる下降気流により小石が飛ぶなどの不測の事態も懸念されていた。同病院の南側の駐車場内に高架式ヘリポートが整備されたことで、ドクターヘリから直接搬送でき、搬送時間の短縮による救命率向上の効果が期待されている。

 高架式ヘリポートが整備されたことについて、勝又院長は「当病院の大きな役割である救急医療に役立ち、住民のためになるのが一番と考える。訓練を行いながら安全に効率良く運用していきたい」と話している。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2024年3月19日付
奥州・金ケ崎
2024年3月19日付
奥州・金ケ崎
2024年3月19日付
奥州・金ケ崎
2024年3月19日付