花巻

刀剣研磨で全国第2席 花巻・菊池真修さん さらなる精進誓う

自宅の工房で作業する菊池さん

 花巻市台の研師・菊池真修さん(32)は、第70回刀剣研磨・外装技術発表会の鎬造の部で、最高賞の木屋賞に次ぐ竹屋賞(第2席)に輝いた。特賞は前回に続き2度目。「憧れの賞に入ることができたが、通過点だと気を引き締めて前に進みたい」とさらなる精進を誓っている。

 菊池さんは花巻農業高校を卒業後、日本の伝統技能を身に付けたいと、岐阜県で4年間研師の修業を積んだ。24歳で帰郷し、自宅敷地内に工房を建設。本阿弥流や人間国宝・永山光幹の系譜を継ぐ技術を生かし、刀剣研師として身を立てる。

 発表会は、多くの人に優れた現代技術、文化財である刀剣への関心を高めてもらおうと毎年開催されており、菊池さんは修業時代から10回ほど出品。今回は釜石市の愛刀家から借り受けた「無銘・青江」を仕上げた。

 2017年10月の出品受付期間の1カ月前から、刀の形の狂いを整える「下研ぎ」を開始。厳選した天然砥石(といし)を用い、地を黒く、刃の部分を白く研磨する「仕上げ」を経て、初の特賞(第7席)に入った前回を上回る手応えをつかんだというが、「いつも特賞にいる人たちを押しのけるのは本当に難しい。竹屋賞という結果は冗談だと思ったほど」と素直に明かす。

 念願の上位入賞にも「自分の研ぎが映える刀を選べた。特賞の人たちは、技術はほぼ横並び。砥石などの素材の良さで抜け出ることができた」と謙遜しつつ、師匠や兄弟子たちに喜んでもらえたのがうれしかったと感謝の思いを新たにする。

 研師は、腕だけでなく、自分の刀がどれほど優れているかを判断する審美眼も求められるといい、「自分好みの刀として美しく仕上がった時が喜び。神経質な性格が職人っぽいのかなと思う」と菊池さん。「地に足を付けて木屋賞を目指すだけでなく、岩手の刀剣文化を盛り上げるような体制づくりにも貢献していきたい」と夢を広げる。

地域の記事をもっと読む

花巻
2024年4月18日付
花巻
2024年4月18日付
花巻
2024年4月18日付
花巻
2024年4月18日付