北上・西和賀

家族の思い一冊に 佐藤さん一家37年ぶり詩文集【北上】

詩文集「大河の岸の大木」を手にする佐藤春子さん

 北上市中野町の佐藤怡當さん(81)春子さん(80)夫妻ら家族4人は、詩文集「大河の岸の大木」を発刊した。北上川をはじめとする雄大な自然によって育まれた4人の詩やエッセイなどを収録。身の周りの出来事や自然の営み、家族などについての思いを率直につづった作品が並んでいる。

 詩文集は四六判、322ページ。佐藤さん夫妻と長男美知友さん(45)、長女伊藤(旧姓佐藤)恵理美さん(53)=盛岡市=の4人の作品を収めた。題名は恵理美さんが北上川の岸辺の木をテーマにした詩「大木に」の書き出しを用いた。

 家族4人による作品集は、37年ぶりの出版。恵理美さんが小学生の頃から詩を作り始め、その後春子さんも詩の創作を開始。県立高校国語教諭だった怡當さんも学校の文芸部担当がきっかけで文芸誌に詩を掲載することが多くなったことから、当時小学3年生だった美知友さんの詩1編を合わせ、1981年に家族詩集「お星さまが暑いから」を発行した。

 今回は、前回の家族詩集から30年以上が経過。その後も3人が創作を続けてきたことと合わせ、恵理美さんが市のイベントに出場したことをきっかけに、小学5年生の時に美知友さんが書き始めた家族新聞の中で掲載してきた作品をまとめようと出版を決意した。

 美知友さんは「桜」「窓ガラスが凍っている」「魔法の音色」など16編の詩を掲載。自然や身の周りの出来事などを独特の感性で表現した。恵理美さんと春子さん、怡當さんは季節の移り変わりや家族を題材にした詩のほか、エッセイや宮沢賢治などをテーマにした評論を収めた。

 今回はコールサック社(東京都板橋区)から1000冊出版。関係者や市立中央図書館、日本現代詩歌文学館に提供した。和風喫茶手風琴(北上市本通り)で1500円(消費税別)で取り扱っている。

 問い合わせは同店0197(63)3661=へ。

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