奥州・金ケ崎

「忠実に」「気分で」デザイン画 亀の子館ミニ巡回展 堂端さんらの作品紹介【奥州】

堂端さんの作品(手前2列)、杉山さんの作品を紹介したミニ巡回展「イタズラ描き ひたすら描き」

 奥州市江刺中町のギャラリー亀の子館で、「イタズラ描き ひたすら描き-YESNODMミニ巡回展 心林の仲間たちⅡ」が開かれている。デザイン分野でクリエーターとして歩みを重ねた千葉県在住の2人が現在取り組む表現の一端を紹介。柔らかなタッチのイラスト、精緻な建築物とそれぞれ個性を感じさせる作品が来場者の関心を集めている。27日まで。

 巡回展は、同市江刺出身のデザイナー及川利春さん(70)=盛岡市=をはじめ、デザイン分野で活躍してきた大学時代の同級生や交友のあった7人(故人含む)が2016年2~3月、東京で展示した作品の一部を同年9月に同館で紹介したのが始まり。今回は堂端文雄さん(69)と杉山栄一さん(69)の近作から及川さんが原画をデータ化し、複製した45点を並べた。

 杉山さんは明治、大正、昭和期の西洋建築を主題材に、0・03ミリのミリペンと透明水彩や顔彩により、板、れんが、瓦まで細やかに描写。奥州宇宙遊学館(同市水沢)、旧岩谷堂共立病院(明治記念館、同市江刺)など本県関係の建築物もある。「建物を見ていると当時、建設に携わった職人の姿が浮かび上がってくるような気持ちになる時がある。建物の素顔をできるだけ忠実に描いた」と語る。

 堂端さんは「小学校の頃からノートの余白にいたずら描きをしたもの。今も寝る前のひととき、その時の気分のまま、筆の動きのまま描いている」という。筆ペン、パステル、色鉛筆などを用い、地蔵様や月、人物など自身に浮かんだイメージを柔らかな筆遣いと色彩で表現している。

 巡回展を企画した及川さんは、今後もメンバーの展示を継続していく考えだ。時間は午前10時~午後6時(最終日は午後1時)。火曜定休。

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