一関・平泉

上部工の連結間近 柵の瀬橋 架け替え現場公開【一関】

「(仮称)柵の瀬橋」の中央部。上部工がつながる直前で工事現場が公開された。奥が現在の柵の瀬橋

 県は23日、一関市中里、舞川両地区を結ぶ主要地方道一関北上線「(仮称)柵の瀬橋」で、上部工がつながる直前となった工事現場を報道機関に公開した。開通は2018年度内と見込まれる。

 「(仮称)柵の瀬橋」は、現在の柵の瀬橋から100メートル下流で建設されている。工事現場は、架け替え事業を主管する県南広域振興局一関土木センターと施工業者が公開。同市舞川地区側の終点から、中央部、資材搬入用の開口部を経て内部を通り、中里地区側の起点までを担当者が案内した。

 全体工区は1・3キロで橋梁(きょうりょう)部693メートル、全幅員11・5メートル。2車線で6・5メートル、歩道は片側のみ2・5メートル。下部工は15年2月に着工し、16年8月に完成。同年11月から上部工工事が進められ、6月には連結される予定。

 県が現在行っている事業の橋では最も長く、県管理の橋では奥州市の藤橋に次いで2番目に長い。開通後は19~20年度に現在の柵の瀬橋を撤去して事業は完了となる。洪水時にごみや流木などをせき止めないよう、北上川を渡る部分は橋台と橋脚の間隔が陸上部に比べて広くされているほか、空洞の箱桁にして軽量化が図られている。

 現橋は、1963年3月の竣工(しゅんこう)から50年以上が経過して老朽化が著しい。車道が狭い上、歩道もなく、現在の耐震基準も満たしていない。国の一関遊水地事業とも関連しているため、県が約56億円、国が約22億円の総事業費約78億円を掛け、架け替え工事が進められている。

 現橋は金属製でアーチがかかっているが、新橋は有識者や地域住民による景観検討委員会の協議で、田園風景と調和するようデザイン。コンクリート製で、橋の両側と、歩道と車道の間に防護柵や照明が設置される。

 今後は、地元の小学校を対象にした現場見学会や橋名板の揮毫(きごう)などが予定されている。

 同センター道路整備課の小原正志課長は「新しい柵の瀬橋が開通すれば、利用者の安全性が高まる。今年度内の開通を目指して頑張りたい。橋の前後の道路取り付け工事に伴う交通規制も行うので、引き続きご協力いただきたい」としている。

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