下大桑産羊肉に興味 ソーセージ加工へ牧場訪問 花巻農高食農科学科3年生【一関】
県立花巻農業高食農科学科の生徒は24日、一関市萩荘を訪れ、牧羊で地域活性化に取り組む下大桑ヒツジ飼育者の会の活動を見学した。同科では国産羊肉でのソーセージ作りに取り組んでおり、生徒は同会の桂田勝浩事務局長からヒツジの飼育法や羊肉の出荷状況などの説明を受け、今後の活動の糧とした。
北上山地(高地)が建設候補地とされる次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設が実現すれば、訪日外国人の増加が予想され、同科では海外の食文化に対応しようと、2017年度から羊肉を使ったソーセージの加工を進めている。
見学は生徒に県内の生産者と国産羊肉の流通事情を知ってもらおうと、同会の協力を得て実現。同日は同科加工コースの3年生5人と鈴木克弥教諭が下大桑地区を訪問した。
桂田事務局長は「国産の羊肉は全国でもほとんど流通していない」「放射性物質の影響で、出荷用の子ヒツジには岩手の牧草を食べさせられない」などと説明。ヒツジ小屋や羽根橋ヒツジ牧場を案内し、同会で飼育しているサフォーク種を紹介した。
生徒たちは桂田事務局長に海外産の羊肉を使用した試作品を振る舞い、「ソーセージの材料には脂が欠かせないが、ヒツジの脂もなかなか手に入らない」などと課題を語った。
柳原未侑さん(17)は「加工するだけで生産している方と直接話す機会はなかったので、新鮮だった。下大桑の羊肉を使ったソーセージを作り、地域振興に貢献したい」と刺激を受けた様子だった。
同会は今年生まれた子ヒツジを初めて出荷する予定で、桂田事務局長は「来日客を視野に入れた考えはこちらも同じ。まだ頭数も少なく、提供するのは厳しいが、軌道に乗れば協力したい」と話していた。