花巻

伝統芸能で交流深化 岳神楽保存会 国交樹立60周年 バリ島を訪問【花巻】

インドネシアの子供たちに神楽を指導したワークショップ=岳神楽保存会提供
夜神楽には大勢の観客が詰め掛けた=岳神楽保存会提供

 花巻市大迫町の岳神楽保存会(小国朋身会長)は、日本とインドネシアの国交樹立60周年記念事業でバリ島を訪れた。神楽と現地の仮面舞踊の共演、「神楽(しんがく)」のワークショップ(WS)など伝統芸能を通じて両国を結ぶ懸け橋となり、小国会長は「文化面での交流に寄与することができて良かった」と話している。

 同保存会は2015年にインドネシアで公演とWSを実施。これをきっかけに交流が始まり、16年は大迫町で開催された全国神楽大会に同国の芸能団体「バリワリ」が特別出演した。

 今回は18日から21日までの日程で、同会の会員10人が訪問した。19日は仮面博物館の野外ステージで約300人を前に「松迎え」「諷誦」「天降り」を演じ、「権現舞」ではバリワリのバロンダンスと共演。「天降り」で使用した猿田彦命の面を同博物館に寄贈した。

 20日は、早池峰神社の例大祭で子供たちが舞う神楽のWSを開き、バリ日本語補習授業校に通う子供ら現地の70人以上に振り付けなどを指導。太鼓や手平鉦(かね)の演奏体験、権現様との記念撮影も人気を集めた。岳神楽の前回のインドネシア公演を撮影した写真展も併せて開催されるなど、歓迎ムードに包まれたという。

 現地の仮面舞踊の中には鹿(しし)踊りや権現舞に似ている物もあり、「信仰心の中に共通点があり、互いに分かり合える部分を感じられてやりやすかった。見せ場で日本と同じように拍手が起こったことに驚いた」と小国会長。「国交60周年の節目に合わせ、自分たちができる芸能を通じて国同士の交流が図られてうれしい。お互いの文化を見せ合うことが理解や共感の一歩になると実感した」と振り返った。

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