一関・平泉

25年ぶり「船弁慶」 金色堂大修理50年記念 8月14日 中尊寺薪能【平泉】

8月14日に行われる喜多流第41回中尊寺薪能のポスター

 中尊寺薪能の会(山平省一会長)が主催する「喜多流第41回中尊寺薪能」は8月14日、平泉町の同寺白山神社能舞台で行われる。今回は金色堂大修理50年記念として能「船弁慶 真之伝(しんのでん)」をはじめ、和泉流狂言「水掛聟(みずかけむこ)」、仕舞「笠之段」「駒之段」「鐘之段」の3番を上演。薪能奉賛券(前売り券)は1日に発売する。

 能「船弁慶 真之伝」は、源義経の心の支えとなった静御前と、平家一門の武将平知盛の怨霊が前後でそれぞれシテ(主役)となる演目で、薪能での「船弁慶」上演は1993年の17回以来25年ぶり。今回の「真之伝」は、知盛が白を基調とした装束をまとうことで格調が高まり、地謡や囃子(はやし)も迫力ある構成で、緩急のリズムなどが情景描写を捉えた見応えのある舞台が展開される。

 シテは前後とも同寺ゆかりの能楽師佐々木多門さん、子方(義経)は能楽師内田成信さんを父に持つ利成君(小学5年)、ワキの武蔵坊弁慶を森常好さんがそれぞれ務めるほか、義経一行が乗る船を嵐の海で転覆しないように操る見どころの船頭役を野村萬斎さんが務める。

 和泉流狂言「水掛聟」は、水田の水利をめぐり展開する舅(しゅうと)と聟の駆け引きを題材にした演目で、面白さの中に深い人間洞察をも描いた名作。シテの舅役を人間国宝の野村万作さん、妻役を同寺僧侶で和泉流狂言師の破石晋照さんがそれぞれ演じる。

 当日は、午後4時30分から同神社で行われる祭儀で開幕(雨天催行)。主催する同会の山平会長は「40回を経て今回は新たな薪能のスタートの年。金色堂大修理50年記念にふさわしい内容の番組になっているので、ぜひ見てほしい」と語る。

 奉賛券はS席1万円、A席7000円(当日1000円増し)、B席4000円(同)、学生(高校生以下)3000円。平泉観光協会のほか一関市の一関文化センター、奥州市文化会館、北上市の小田島書店、盛岡市の川徳、仙台市の藤崎と三越、チケットぴあで取り扱う。

 問い合わせは同会事務局=0191(46)2110=へ。

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