男性顔負けの演舞 GEINO女子交流会 県内5団体、勇壮に【北上】
北上・みちのく芸能まつり実行委員会主催の「GEINO女子交流会」は2日、北上市文化交流センターさくらホールで開かれた。県内で郷土芸能に取り組む5団体の子供から60代まで、幅広い年代の女性が出演。勇壮な神楽や鬼剣舞を見せ、来場者を魅了した。
以前は男性中心だった郷土芸能も、近年は女性が増加。伝承に大きな役割を果たしている現状を発信しようと、同実行委が初開催。各地から約100人が来場した。
神楽馬鹿交流会メンバー(花巻市)がおしき舞、金澤神楽(大槌町)が御神楽、飯豊神楽(遠野市)が木曾舞、本寺地区神楽(一関市)が鶏舞を演じ、華麗かつダイナミックな踊りを披露。最後に鬼柳鬼剣舞め組(北上市)が刀剣舞の狂い、膳舞、八人加護を見せ、男性顔負けの迫力ある掛け声と演舞で締めた。
演舞後は、各団体のメンバーが意見交換。鬼柳鬼剣舞め組の紺野弘子さん(60)は「鬼剣舞といえば男の舞だったが、だんだん女性の舞い手も増え男女の隔てなくやっている。男性に体力ではかなわないが、できるだけ近づきたい」と語り、神楽馬鹿交流会メンバーの新田彩乃さん(30)は「(所属団体)前会長が『神楽は男がやるもの』という概念をひっくり返してくれ感謝している。男女問わず後継者がおらず、自分たちで動いて育成したい」と力を込めた。
本寺地区神楽代表の佐藤ひろのさん(31)は「踊れるのは今まで関わってきた人たちが伝承してきたから。自分も『地元が大好き』という気持ちに気付いた。そう思ってもらえるよう手引きをしていければ」と、伝承の担い手としての決意を示した。
交流会は、8月の同芸能まつりと3年後の60周年に向けた機運盛り上げも目的の一つ。
石川博文実行委員長は「男女問わず幅広い伝承活動が必要。今後も交流会を継続したい」と話した。