延年の舞 国立劇場で 初の単独、16日に2公演【平泉】
平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)に伝わる延年の舞の国立劇場公演「毛越寺の延年 受け継がれる秘法と法楽芸能」は16日、東京都千代田区の同劇場で行われる。同劇場での延年の舞公演はこれまでにも行われているが、今回は初の単独公演。チケットは既に完売の人気で、一山の僧侶や同寺ゆかりの子供たちが本番に向け稽古を重ねている。
延年の舞は、国重要無形民俗文化財に指定された中世芸能の様を色濃く残す歌舞で、常行堂に祭られる摩多羅神(またらじん)の祭礼(1月14~20日)が結願(けちがん)する1月20日の「二十日夜祭」で、法楽として奉納されている。
公演本番まで2週間に迫った3日は本堂脇の舞台で稽古が行われ、藤里貫主が見守る中「田楽」「花折」などの演目を練習。奥州市立衣川中学校1年の三浦璃久君は「国立劇場には全国から多くの人が見に来てくれるので、舞台の上では堂々と演じたい」と、扇子の持ち方や足の運び方を何度も確認していた。
藤里貫主は「毛越寺の延年は、中世の姿を今に伝える全国でも数少ない芸能。訪れる方たちにはその違いに着目してほしい」と語る。
国立劇場公演は16日午後1時からと4時からの2回。演目は、1時からが同寺の伝統的法会となる「常行三味供(じょうぎょうざんまいく)」に続き「呼立」「田楽」「祝詞(のっと)」「路舞」を、4時からの公演では「若女・禰宜(ねぎ)」「老女」「花折」「留鳥」をそれぞれ予定している。