花巻

「涙ぐんだ眼」丁寧に 下ノ畑 賢治設計花壇再現し植樹【花巻】

賢治に思いをはせながら花壇に花の苗を植える子供ら

 花巻市の宮沢賢治「下の畑」保存会(菅野将勝会長)は17日、同市桜町の賢治自耕の地「下ノ畑」にある花壇「涙ぐむ目」で植花祭を開いた。参加した子供ら地域住民は、賢治の設計を再現した花壇に花の苗を植えながら、古里の偉人をしのんだ。

 北上川沿いに広がる自耕の地(広さ約2400平方メートル)は、賢治が教職を退いた後に切り開いてハクサイなど当時珍しかった野菜を栽培した場所。盛岡少年院(盛岡市)にある花壇「涙ぐんだ眼」をモデルに菅野会長らが2007年に10分の1に縮小して再現し、畑を管理する同保存会が毎年、地域住民と花苗を植栽している。

 花壇は約130平方メートル。保存会員、地域の子供会の児童や父母ら約40人が参加し、子供たちは会員に教えられながら中央部にサルビアの苗100本、周辺にマリーゴールドの苗500本をくぼみに合わせて植え、根に優しく土をかぶせた。

 初めて参加した小河原和奏さん(南城小学校4年)は「みんなと一緒にうまく植えられて楽しかった」と話し、3回目という照井莉湖さん(同)は「賢治さんがここで野菜を育てていたと教えられた。きれいな花がたくさん咲いてほしい」と願った。

 同保存会は賢治が育てていたというハクサイやアスパラガス、トマトなどを畑で栽培し、農業にいそしんだ賢治の姿を市民や観光客らに伝えている。菅野会長は「多くの観光客がここを訪れる。畑の野菜や花壇を通して賢治さんに思いをはせ、感じてもらいたい」と話した。

 花への水掛けや周囲の除草といった管理にも子供たちの協力を得て進めていくという。

momottoメモ

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