一関・平泉

7カ所で対応所見 ブロック塀 一関市が緊急点検 花泉小は月内撤去へ

老朽化に伴うひび割れが確認されたブロック塀=一関市千厩町の愛宕児童公園

 一関市は2日、大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒れ女児が死亡した事故を受け、市内の学校や公共施設などで実施した緊急点検の結果を公表した。建築基準法施行令に不適合の高さ2・2メートル超のブロック塀が花泉小学校で確認されたほか、保育施設を含む公共施設では高さが2・2メートル未満ながらも6カ所のブロック塀でひび割れなどの問題が見つかった。花泉小では月内に撤去。ひび割れなどが確認された6カ所についても、専門家の診断結果を踏まえて補修、撤去する方針だ。

 市では、同様の事故を防止するため、6月19日から27日まで市立の幼稚園・学校をはじめ、通学路、市立保育施設を含む市有施設などを対象に緊急点検を行った。

 市教委所管の幼稚園・学校は、市立幼稚園10カ所、小学校28カ所、中学校16カ所、閉校後の未利用学校15カ所の69カ所で実施。ブロック塀の高さを測定し、目視で傾き、ひび割れ、ぐらつきなどを点検した。

 花泉小のブロック塀は、高さが2・85メートルで、建築後30年以上が経過していることから、市教委が直ちに撤去することを決めた。工事は月内で終了するという。旧日形、旧磐清水両小学校のブロック塀は、2・2メートル未満だったものの、外観点検でひび割れや傾きなどが確認されたことから内部診断の結果を踏まえて撤去を検討する。

 通学路関係では、市内172カ所でブロック塀を確認。今後、児童生徒に安全指導を行うとともに、所有者に対して安全点検を行うよう呼び掛ける方針で、危険性がある場合には通行人に向けた注意表示をはじめ、必要な補修、撤去などの対応を呼び掛ける。

 一方、市所管の公共施設は、保育園と認定こども園19カ所、市営住宅70カ所、公園131カ所、その他市有施設508カ所の計728カ所を対象とし、幼稚園・学校と同様の項目で点検した。

 調査の結果、高さ2・2メートル未満のブロック塀が8カ所確認された。このうち、市役所大東支所庁舎南書庫と飛ケ森キャンプ場トイレ(千厩)、愛宕児童公園(同)、市営北方住宅(同)の4カ所は、経年劣化によるひび割れや傾きなどの問題が見つかった。

 このほか、国登録有形文化財となっている同市千厩町の千厩酒のくら交流施設でも、最も高いところで2・65メートルになる石積み塀にひび割れを確認。詳細診断の結果に応じて補修、撤去など必要な措置を講じる。

 点検結果を公表した勝部修市長は「思ったよりも老朽化しているものが多かった。早急に安全対策を取っていくことが必要だ」と話している。

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