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「魅力的な8本脚のいきもの クモ」 県立博物館で企画展 来月19日まで【岩手】

来館者の目を引く200倍スケールに拡大したハエトリグモの大型模型
知ればあなたも好きになる?

 盛岡市上田の県立博物館で、企画展「魅力的な8本脚のいきものクモ」が開かれている。クモの形や色、知られざる生態を写真と映像で紹介するとともに、民話や伝承、文化財などからもともとは親しい生き物だったクモが嫌われるようになった謎を解き明かす。8月19日まで。

 序章、終章を含む8章構成で、会場の中央にはハエトリグモを200倍スケールに拡大した大型模型を展示。高さ70センチ、幅120センチ、体長160センチで、8個の眼を持ち真下と真後ろ以外のほぼ全範囲を見ることができる視野を体感できる。

 1章では人とクモの文化史を紹介。クモが害虫を捕る益虫で人に頼られる存在から、妖怪として退治されるなど疎まれる存在になった過程や、朝グモを吉、夜グモを凶とする今でも根強く残る言い伝えなどを解説する。

 2~4章ではクモの生態を解説。クモは種類によってさまざまな網(巣)の形を作って狩りをする。ただ半数のクモは網を張らずに獲物を捕えるといい、中には獲物に気付かれないように近づき素早くジャンプして獲物を捕える様子を撮影した連続写真もある。

 また350種類ほどが知られている岩手に生息するクモのうち、120種類余りを写真や標本で紹介。中には東日本大震災津波以降見られなくなった「イソコモリグモ」など貴重な写真もある。

 6章では岩手のクモ学者片岡佐太郎さんのスケッチを紹介。1960年代には県内に生息するクモ約200種類の分布調査を行い、調査記録は同館に寄贈されている。

 同館の渡辺修二学芸調査員によると、さらに調査を進めれば、岩手のクモは400~500種類になる可能性があるという。「調査を進めるうちにクモにのめり込んだ。クモのことを分かってもらえれば、好きになってもらえるはずだ」と話している。

 期間中は7月28、30日、8月11、18日にミニ観察会、7月14日と8月18日には展示解説会、7月28、30日、8月11日には子ども向け解説会を開催。開館時間は午前9時30分~午後4時。7月中の月曜日は休館。

▲岩手に生息するクモを紹介した写真

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