一関・平泉

能舞台に鎮魂の調べ 中尊寺レクイエム【平泉】

能舞台で美しいハーモニーを響かせた「中尊寺レクイエムコンサートウィーンフィルの奏で」

 東北復興祈念チャリティー「中尊寺レクイエムコンサート ウィーンフィルの奏で」(平泉・一関国際音楽祭実行委員会主催)は11日、平泉町の中尊寺白山神社能楽堂で開かれ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元メンバーら5人が東日本大震災などの犠牲者の鎮魂と早期復興を願い、美しい音色で約350人の聴衆を魅了した。

 同大震災を機に2011年から毎年開催。今回は元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団首席ソロクラリネット奏者のペーター・シュミードルさんのほか、ペーター・ヴェヒターさん(元同楽団首席バイオリン奏者)、三又治彦さん(NHK交響楽団バイオリン奏者)、シンシア・リャオさん(ウィーン室内管弦楽団首席バイオリン奏者)、ヨナーシュ・クレイチーさん(同楽団首席チェロ奏者)の5人が出演し、沿岸地域の被災者や高校生が招待された。

 鎮魂曲となるカザルスの「鳥の歌」で幕を開けたステージでは、同大震災と西日本豪雨の犠牲者の鎮魂を願い全員で黙祷(もくとう)。杉林に囲まれた能舞台でハイドンの「弦楽四重奏曲 第67番 二長調」、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581」など、アンコールを含む全4曲を演奏した。

 弦楽器とクラリネットによる美しいハーモニーに、自身もクラリネットを演奏する渡邊理沙子さん(宮城・常盤木学園高3年)は「屋外で自然の風や鳥の鳴き声と一緒に聞こえる演奏は新鮮な感じがした」と語った。

 益金の一部は被災者の支援に役立てられる。

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