花巻

昭和の子供 生き生きと 市博物館特別展 写真家の作品170点【花巻】

来館者が子供を通して時代を振り返っている特別展「写真家が捉えた昭和のこども」

 特別展「写真家が捉(とら)えた昭和のこども」は、花巻市高松の市博物館で開催されている。土門拳や熊谷元一といった著名な写真家による作品170点に加え、1950年代以降に使用されたカメラや関連機器なども展示。隣接会場で開催に合わせた写真展「昭和の花巻」も併催され、多くの来館者が当時を懐かしんでいる。8月26日まで。

 激動の昭和の時代を、子供たちの表情や服装、遊びなどを通して振り返る企画。▽困難な時代を生きる▽楽しい学校生活▽腕白(わんぱく)小僧とお転婆(てんば)娘-といったテーマを設け、7章建てで写真家19人の作品を紹介している。

 このうち第7章「高度経済成長のもとで」では、公害や団地暮らし、不況といった時代のキーワードが色濃く感じられる24点を展示。石炭から石油へのエネルギー転換のさなかにあった昭和30年代の筑豊(福岡県)で撮影された「泣く子」「弁当を持ってこない子」「子沢山の炭住街」など、炭鉱の町で数々の秀作を生み出した土門の魅力が味わえる一角で、ひときわ大きな注目を集めている。

 また「昭和の花巻」コーナーには、花巻と大迫、石鳥谷、東和の旧1市3町の時代(昭和30年~60年代)に撮影された115点がずらり。花巻まつりや五輪のにぎわい、学校行事、子供スポーツ大会の様子などが紹介され、懐かしそうに一枚一枚を観賞する人も多い。一部に撮影場所不明の写真もあることから会場内には「おしえて!カード」と回収箱が置かれており、協力のためペンを走らせる市民の姿もある。

 展示を担当した同館学芸員の小田桐睦弥さんは「市博物館で初めての企画。明治150年、平成最後のこの年にもう一度写真を見てもらい、今とこれからを考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 一般入館料600円(特別展チケット)。展示期間中無休。午前8時30分~午後4時30分。問い合わせは同館=0198(32)1030=まで。

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