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中学生、災害時対応学ぶ 岩大・ジュニア防災リーダー養成講座 講義や図上訓練【岩手】

地図に地域で起こりそうな被害を書き込んでいく上田中の3年生
「自分の身を守る」

 中学生が災害時の対応を身に付ける「がんちゃんJr.防災リーダー養成講座2018」が4日、盛岡市の岩手大で開かれた。市立上田中3年生148人が、防災の講義や災害図上訓練を通じて地域の災害の特性に理解を深め、登下校中の災害発生時に取るべき行動を考えた。

 講座は、災害発生のメカニズムや地域で起こりうる災害を学習し、日常生活で危険を予測、知識や情報を基に判断し、主体的に安全な行動を取ることができる生徒の育成が狙い。同大の地域防災研究センターと教育学部・教職大学院が、上田中と共同で2017年度から企画している。

 「家庭や地域での防災活動」をテーマに講義した同センターの越野修三教授は、まず自分や家族の身を守る自助が大事だとし、それができなければ共助といった次のハードルを越せないと指摘。その上で災害から生き延びるには「地域で発生する災害を考え、どのように対応するか対処法を準備し、その実践に向け訓練することが必要だ」と強調した。

 災害図上訓練では、生徒4、5人一組で同校周辺を表した大きな地図を囲み、ペンやシールを使って避難場所、病院や消防署、警察などの防災資源などを書き込んでいった。その地図を基に、このほど各家庭に配布された市防災マップを活用して地域の特徴や想定される被害などを議論しながら書き入れ、必要な防災対策を話し合った。

 下村晏弘君(15)は「考えれば考えるほど防災上のマイナス要素や危険箇所が見つかった。日頃からこういう場所は危ないというのを見つけていかないと、自分の身は守れないかもしれないと思った」と話し、自分の身に起こるかもしれない災害をより具体的に捉えていた。

 講座は3日、同校1年生が地域防災かるたの読み札を考えることで危険を予測したり危険を回避する方法を学習。14日には2年生が16年の台風10号災害を教訓に大雨や洪水への備えについて考える。

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