北上・西和賀

クマ対策へ出前授業 県南局、2小学校で 通学時の不安解消に【北上】

クマの頭蓋骨を見ながら生態について学ぶ笠松小の児童

 県南広域振興局は、2018年度初めて取り組むクマ防除対策支援事業の一環として11日、北上市内の2小学校で出前授業を行った。参加児童らは専門家からクマの生態について学び、備えの知識に理解を深めた。

 県内では近年、市街地などでツキノワグマの出没が増加傾向にあり、安全・安心な住民生活の確保に向け対策が課題となっている。クマの生態について学び、被害に遭わないための知識を習得することで、通学時の不安を解消してもらおうと小学生を対象に出前授業を企画した。

▲クマの毛の触り心地を確かめ、実感を深めた

 同日は、北上市の笠松、和賀西の両小学校で行われた。このうち笠松(小野寺香世校長、児童87人)では4~6年の児童と地域住民ら約60人が聴講。岩手大農学部の山内貴義准教授(48)=動物生態学=が「ツキノワグマのくらしと人との関わり」をテーマに講話。ツキノワグマの生態などについてクイズを交えて分かりやすく紹介した。

 山内准教授は、人間を襲う理由を「クマは臆病な動物で急に人に合ってびっくりしたり、子グマを守るため」と説明し、被害に遭わないよう▽1人で山に行かない▽鈴やラジオで人間の存在をアピール▽ごみを捨てない▽草刈りでよく見えるようにする-などに気を付けるよう呼び掛けた。

 児童たちは、用意されたクマの頭蓋骨や毛皮、食べ殻、ふんを見たり、触ったりしてクマの存在に実感を深めた。聴講した6年の髙橋隼人君は「クマの毛は触り心地が良かった。この辺はクマがいっぱい出るのでランドセルに鈴は付けているが、他にも友達と一緒にしゃべって音を出すなどして登下校したい」と予防策を確認した。

 小野寺校長は「クマは嗅覚と聴覚が優れているということが分かったので、音を出して自分の居場所を知らせたり、茂みに入らないなどの注意点を再度周知したい」と気を引き締めた。

 県によると、北上市内のツキノワグマ出没件数は、17年度176件(県内2539件)、16年度193件(同3070件)で、市町村平均の2倍を超えており、人間の生活域で目撃情報が多数寄せられている。18年度は農作物被害のほか、民家や鶏舎への侵入被害が発生している。

 ツキノワグマの出没を減らし、人とクマとの摩擦を解消しようと同振興局は今年度、モデル地域を設定しクマ防除対策支援事業に取り組んでいる。

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