北上・西和賀

より良いピアノ演奏を ファツィオリ専属調律師 越智さんが専門知識紹介【北上】

グランドピアノの鍵盤のタッチを調整する越智さん(中央)

 北上市文化創造が主催するピアノ「ファツィオリ」レクチャーは12日、同市の市文化交流センターさくらホールで開かれた。グランドピアノメーカー・ファツィオリ(本社イタリア)の専属調律師・越智晃さんを講師に迎え、参加者がグランドピアノの魅力に触れた。

 同社のピアノは音色の良さなどが特徴で、国際的なピアニストに使用されるなど国内外で注目を集めている。東北の公共ホールで導入しているのは同ホールのみ。同日の昼と夜に行われたレクチャーでは、越智さんが同社のピアノの特徴やグランドピアノの専門的な知識を紹介した。

 昼の部「ファツィオリピアノをより良く弾くために」には、ピアノ協会に所属する人、趣味で演奏する人など市内外の22人が参加。越智さんのほかに同市でピアノ教室を主宰する及川佐恵子さんがアドバイザーを務めた。ホールでのピアノのベストポジションや、足の向き、鍵盤をタッチした際の軽さや重さの違いなど、ファツィオリとスタインウェイ2社のピアノで演奏しながら聴こえ方などを比較した。

 タッチの比較では、参加者が重く調整されたピアノを弾くと、「手に荷重がかかる」「音が詰まって聴こえる」と調整前との違いを体感。越智さんは湿度が高いとタッチが重くなることから、ピアノを設置した部屋は除湿を徹底し、常に空気をコントロールすることを助言した。

 同ホールのファツィオリピアノの保守・点検も担当する越智さんは「普段演奏する人でもピアノの仕組みや機能について詳しい人は少ない。レクチャーをきっかけにメカニックな部分にも興味を持ってもらえたら」と期待していた。

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