北上・西和賀

山本さん(盛岡)が最上位 沢内甚句全国大会 県内外から79人出場【西和賀】

グランドチャンピオンに輝き、大会の締めくくりに沢内甚句を披露する山本さん(左から2人目)

 第36回沢内甚句全国大会(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は23日、西和賀町文化創造館銀河ホールで開かれた。出場者が当地発祥の沢内甚句で競い合った結果、最上位の「およね杯の部」では盛岡市中堤町の山本樹さん(22)がグランドチャンピオンに輝いた。

 沢内甚句は、江戸時代に沢内村が飢饉(ききん)に見舞われた際、重い年貢の身代わりで差し出されたという娘およねの伝説を基にしている。沢内地内の浄円寺に「およね地蔵尊」が建立された日に合わせ、毎年同大会を開いている。

 今年はおよね杯に39人、少年少女の部(中学生まで)に21人、寿年の部(70歳以上)に19人が出場。本県のほか宮城、秋田両県からも参加があり、生伴奏に乗せて練習成果を披露した。

 山本さんは予選を制し、およね杯の部のファイナリスト20人と少年少女、寿年両部門優勝者との決勝を勝ち抜き頂点に立った。小学校3年から民謡に取り組み、およね杯出場は2016年以来。前回は特別賞で、「思うような結果でなくて悔しくて、歌の流れを特に練習した」という。

 今回は初めておよね地蔵尊を参拝し、必勝を祈願した。「決勝では予選より緊張せずに歌えた」と満面の笑顔。「沢内甚句は素朴だが、決して明るい唄ではない。大切に恥のないようにこれからも歌っていきたい」と名人の決意をのぞかせた。

 グランドチャンピオンを除く各部門の入賞者は次の通り。(敬称略)

 ◇およね杯▽優秀賞=阿部伊祥(山田町)菊池きよ子(奥州市)▽奨励賞=佐々木深里(紫波町)玉山ツヤ子(花巻市)舘澤菫(滝沢市)▽特別賞=井上正明(盛岡市)菊田美紀子(宮城県気仙沼市)

 ◇少年少女の部▽大賞=高橋一華(遠野市)▽優秀賞=日戸楓乃(八幡平市)南野沙紀(雫石町)▽努力賞=佐々木愛美(盛岡市)下机紅愛(宮古市)石山友里花(釜石市)

 ◇寿年の部▽大賞=伊藤富子(八幡平市)小田島シゲ子(雫石町)白澤孝一(八幡平市)

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