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エアコン設置費80億円 県立校で、県教委試算 県議会9月定例会【岩手】

 県議会9月定例会は25日、本会議を開き、一般質問に神﨑浩之(自由民主クラブ)、髙橋元(改革岩手)、千田美津子(共産党)の3氏が登壇し、県当局の考えをただした。県立高校と特別支援学校へのエアコン設置費用の試算結果について、高橋嘉行教育長が空き教室を除き未設置の全室にエアコンを設置した場合で、約80億円に上ることを明らかにした。

 国の学校施設環境改善交付金の基準単価を基にした概算。エアコン未設置教室は、高校が約2600室、特別支援が約540室となっている。これら全教室への設置を想定した場合、概算でエアコン機器設置に約50億円で、受変電設備の改修を含めると約80億円となる。

 教室へのエアコン設置率は、文部科学省の調査(2017年7月現在)によると、市町村立学校で幼稚園が29・1%、小学校が5・0%、中学校が5・2%となっており、県立学校(今年9月1日現在)は、高校が9・7%、特別支援が16・6%となっている。保健室への設置率(同)は、市町村立学校では、小学校58・7%、中学校が58・8%、県立学校では高校が47・8%、特別支援が88・2%となっている。

 整備に当たっての課題では、県、市町村とも財源の確保を課題として挙げた。高橋教育長は「災害といわれるような猛暑への対策として、学校種を問わず、子供たちの安全確保や教育環境の改善として、喫緊に取り組むべき課題と認識している。現在の環境や利用頻度を考慮しつつ、市町村と連携を図りながら、必要な整備に早急に取り組んでいきたい」と早期整備に前向きな姿勢を示した。

 北上市への特別支援学校高等部分教室の新設については、高橋教育長が花巻清風支援学校高等部で新たに作業棟を増築して、花北地区の生徒を対象にした高等部の教育環境の充実を図ったとし、「高等部を含む特別支援学校の教育環境の整備に対しては、他の地区からもさまざまな要望があるので、現在取り組んでいる盛岡東支援学校や釜石祥雲支援学校などの整備を重点的に進め、今後の方向性は生徒数の動向や全体的な学校配置の在り方を総合的に勘案し検討したい」と述べるにとどめた。

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