花巻

富士大 10季連続V 北東北大学野球リーグ戦

【青森大―富士大】春秋10季連続優勝を決める本塁打を放った楠主将(左端)を迎える富士大ナイン=2日、花巻球場

 北東北大学野球の秋季1部リーグは2日、花巻市松園町の花巻球場で最終戦3試合が行われ、富士大が青森大に7―0で七回コールド勝ちし、リーグ新記録となる春秋10季連続の優勝を飾った。

 富士大は一回に連続適時打で2点を先制。三回には1死三塁から3番楠研次郎主将(4年)が自身のリーグ通算100本目の安打となる左中間二塁打で加点し、四回にも集中打で3点を加え突き放した。6点リードで迎えた七回に楠主将が右越えソロ本塁打を放ち、決着をつけた。

 先発の左腕佐々木健(4年)は7回を被安打2、与四球1、10奪三振と好投した。

 富士大の優勝は春秋通じて33度目で、秋は5年連続。1992~96年に青森大が打ち立てた9季連続優勝の連盟記録を塗り替えた。個人賞は楠主将が最優秀選手賞と首位打者賞、吉田開(3年)が最多打点王、佐々木、捕手の佐藤大雅、遊撃手の山城響(ともに1年)、外野手の楠主将、指名打者の吉田の5人がベストナインに選ばれた。

 富士大は第49回明治神宮大会への出場権を懸け、27、28の両日に福島県郡山市で行われる第10回東北地区大学野球代表決定戦に臨む。

投打かみ合い金字塔

 富士大が盤石の試合運びで北東北連盟の記録を塗り替えた。打線は一回から好機を逃さず得点を重ね、先発の佐々木健(4年)は無失点の好投。投打がかみ合い、地元花巻で春秋10連覇の新たな金字塔を打ち立てた。

 「5年間、10季分のいろいろな思いがある。それを受け継ぎ、選手がよく頑張ってくれた」。豊田圭史監督は万感を込めてナインをたたえた。

 序盤から攻め立てて主導権を握った。一回に敵失を足掛かりに5番吉田開(3年)、続く加藤元気(2年)の連続適時打で先制。3点リードの四回にも長短3安打を集めて3得点と畳み掛けた。一、四回とも2死からの連打。ここ一番で一人ひとりの集中力が光った。

 佐々木は小気味よくストライク先行で組み立て、140キロ台後半の直球やチェンジアップを決め球に10奪三振で投げ抜いた。許した安打は2本だけと抜群の安定感。今季のエースとして起用されてきた左腕は「4年間で最後のリーグ戦。自分の全てを出し、3人で切っていこうと思った。狙い通りに投げられた」と手応えをにじませた。

 10季連続が始まった時の主将は外崎修汰(西武)だった。「その後の多和田(真三郎、西武)、小野(泰己、阪神)など、いろいろな選手の思いをつないできた結果」と豊田監督。現チームについては「試行錯誤しながらさまざまな選手を使うことができた。チームのレベルが上がっただけでなく、それぞれがしっかりと準備できていた」と総合力を強調した。

 次は東北地区代表決定戦に挑む。日本一への高い意識と重圧を乗り越えた一体感で、秋は3年連続となる神宮大会の切符をつかみ取るつもりだ。

 

史上2人目100安打 楠主将
▲【青森大―富士大】富士大三回、1死三塁から3番楠主将が100本目の安打となる左中間適時二塁打を放つ=2日、花巻球場

 富士大の楠研次郎主将(4年)が北東北リーグ史上2人目となる100安打をマーク。「調子を継続する難しさも自分の成長も実感できた」と偉業達成を振り返った。

 99本と王手をかけて臨んだリーグ最終戦。スタンドには「研次郎METER」が準備された。一回は死球を受けたが、1死三塁で回った三回、外角高めの直球を左中間へ。二塁上でヘルメットを掲げて歓声に応えた。

 四回も2死一塁で中越えに会心の当たり。6―0の七回は右翼にアーチを架け、コールド勝ちを決めた。3打数3安打3打点の活躍で、今季打率は4割6分2厘に。初の最優秀選手賞、2度目の首位打者賞、7度目のベストナインに輝いた。

 神奈川の東海大相模高当時から「センターへの低い打球を心掛けている」といい、富士大では1年春から出場。8季で積み上げた102安打は、元DeNAの内藤雄太さん(八戸大出)の118に次ぐリーグ2位となった。

 「豊田監督に使ってもらえたこと、良いチームに入れたことで到達できた」と周囲に感謝。主将としては「プレッシャーはあったが、みんなが付いてきてくれた。ここからもチームで成長して戦っていきたい」と意気込みを新たにした。

青森 000 000 0|0
富士 201 300 1x|7
(七回コールド)
(青)飯田、長澤、遠藤―北村
(富)佐々木―佐藤大
 ▽本塁打=楠(富)▽二塁打=吉田、山城、楠(富)

岩手   000 000 000|0
八戸学院 100 000 01×|2
(岩)浪岡、石川―沖田
(八)高橋、大道、小川―吉田、山本
 ▽二塁打=山口(八)

地域の記事をもっと読む

花巻
2024年4月25日付
花巻
2024年4月25日付
花巻
2024年4月25日付
花巻
2024年4月25日付