モクズガニ 大きく育て 川崎地域園児、児童 稚ガニ放ち生態学習【一関】
乱獲や河川環境の変化に伴って個体数が減っているモクズガニの増殖への取り組みを次世代に伝えようと、一関市川崎市民センター(菅原正志所長)とNPO法人北上川流域河川生態系保全協会(伊藤靖一理事長)は4日まで計3回、同市川崎町の小学生や保育園児を対象にモクズガニ生態学習会を開いた。
いちのせき元気な地域づくり事業を導入し、9月20日に川崎小学校3年生、2日に川崎保育園児、4日に川崎児童クラブ1、2年生を対象に開いた。各日とも同町門崎の中間飼育場「官紅カニハウス」で稚ガニの人工飼育の現場を見学した後、旧門崎小学校付近の御滝川に稚ガニ500匹を放流した。
最終日は同協会の小野寺保明副理事長が案内役を務め、児童の「大きくなるまでに何年かかりますか」という質問などに応じた。稚ガニは甲羅の幅が約1センチ。モクズガニは郷土料理「かにばっと」に欠かせない食材となっており、5~8センチに成長し、料理に使えるようになるまで3年から5年かかるという。
その後、御滝川に移動し、児童が1人ずつ小さなバケツに入った稚ガニを放流。遠藤奏汰君は「大きくなってほしい」、小野寺爽馬君は「はっとはおいしい」と成長を願っていた。
モクズガニは内陸部の川などで成長し、沿岸部の河口で産卵する。同協会では河口で抱卵したモクズガニの雌を捕獲して町内のふ化場で産卵、人工ふ化させた後、稚ガニに育てて放流している。