奥州・金ケ崎

ひそかなる 風の声かも… 故奥村文子さん ゆかりの地に歌碑建立【奥州】

阿原山高原に建立された奥村文子さんの歌碑

 奥州市水沢で半世紀以上にわたって作歌に励み、1995年に亡くなった歌人・奥村文子さん(享年88)の歌碑が、ゆかりのある同市江刺伊手の阿原山高原展望舎近くの市有地に建立された。県南歌人クラブや遺族・市民有志らが協力。奥村さんが同地を訪れた際に詠んだ一首を刻み、同市の芸術文化のさらなる発展に期待を込めた。

 奥村さんは若い頃に絵画に親しんだが、昭和初めに目を患い断念。その後短歌に触れ、作歌集団「ぬはり」(若山牧水系)主宰の菊池知勇門下として歌道にいそしんだ。55年ごろからは短歌会「麦の穂」「おだまき」を指導。これらの功績から、旧水沢市の第1回芸術文化賞を受賞した。

 奥村さんをしのぼうと、有志らが二十三回忌に当たる昨年から建立の準備を進めた。歌碑には奥村さんが67年秋に高原を訪ねた際の詠草から「ひそかなる 風の声かも 高原の 小松の梢(うれ)を 吹き過ぐるとて」を選び、自筆を刻んだ。

 10日には関係者約20人が出席して除幕式を行い、奥村さんの次男で前大安寺住職の宗侃さん(82)らが布を取り払って、県内産青御影石を使った歌碑をお披露目した。

 宗侃さんは「亡くなる1カ月前まで歌を詠んでいた母。(歌碑が建ち)自分が生まれたまちを眺めることができてうれしいのではないかな」と、在りし日の母親に思いを巡らせていた。

 同クラブの羽藤堯会長(80)は「文子さんは大先輩。歌の筋は写実主義で、長く愛される作品を詠んだ。皆さんにもこの地に来て歌碑を見ていただき、短歌を良いものと思ってもらえれば」と願っていた。

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