「花巻の美しさに魅せられ…」 韓国人芸術家 崔大植さん作品展・16日から市交流会館
米国などを拠点に活躍する韓国人芸術家・崔大植さん(71)の作品展は、16日から花巻市葛の市交流会館で開かれる。崔さんは花巻の自然の美しさに魅せられ、市内に滞在して作品を制作。わが国では初の個展で約50点を出品予定といい、関係者が準備を進めている。12月14日まで。
崔さんは1947年、韓国釜山生まれ。ソウルや米国ニューヨークなどで作品展を開催する傍ら、大学での指導や韓国系米国人の美術協会立ち上げといった分野でもリーダーシップを発揮するなど、幅広い活動でも知られる。
花巻での作品展は、同市石鳥谷町在住の中村昭佳さん(56)、スジンさん(54)夫妻が開催を後押し。ソウル出身のスジンさんは「先生(崔さん)は私たちが捨ててしまうような物から作品を生み出し、表現する。明るくて優しく、自然の声が聞こえているような作風が大好き」と話し、花巻での個展開催を喜ぶ。
展示予定作品は、廃棄されそうだった障子枠に紙を張り、花巻の鹿(しし)踊りなどからイメージした絵画を描き込んだ「花巻物語」、使用されていないびょうぶをカラフルな抽象画で埋めた「海の声」など。作品の多くには花巻の山並みや生き物たちが描かれ、見る者にさまざまなイメージを想起させる。
崔さんは「中村さん夫妻のような方がいたからこそ作品展を開くことができ、本当に感謝している。花巻は美しい。市民の皆さんは誇りを持って生きていらっしゃるだろう」と同市への思い入れを語り、多くの鑑賞に期待を寄せている。
午前9時~午後9時(最終日は午後3時終了)。問い合わせは事務局の昭佳さん=090(2271)6575=まで。