一関・平泉

新「柵の瀬橋」開通 主要地方道一関北上線 3世代夫婦渡り初め

新しい柵の瀬橋が完成した記念に渡り初めを行う舞川地区の3世代夫婦ら参列者

 一関市中里、舞川両地区を結ぶ主要地方道一関北上線「柵の瀬橋」は11日、2013年度の事業開始から5年8カ月を経て開通した。関係者がテープカットや地元の3世代夫婦の渡り初めなどで完成を祝い、交通と治水の両面から地域を支える橋として末永く利用されるよう祈願した。

 開通式は橋の中央で行われ、工事関係者や来賓、地域住民ら約300人が出席。主催者を代表して県南広域振興局の細川倫史局長が「開通を迎えられたのは事業化から理解と指導いただいた国交省、地権者、地域の方々や関係各位の多大な尽力、支援のたまもの。円滑な交通の確保で地域の活性化、災害時における信頼性の高い交通ネットワークに大きく寄与すると確信する」と式辞。勝部修市長、高田一郎県議が祝辞を述べた。

 一関土木センターの菅原博秋所長が事業経過を報告。市立中里小学校児童副会長の佐藤麗架さん(6年)が作文を発表し「新しい柵の瀬橋は広くて通りやすそう。利用する人たちもゆったりと落ち着いて渡れると思う」と橋の活用に期待した。

 テープカットとくす玉割りを細川局長や勝部市長ら代表者が一斉に行った後、中里鶏舞踊り隊が演舞し、配志和神社の岩山芳憲宮司が神事を執り行って安全を祈願した。

 渡り初めでは、岩山宮司を先頭に舞川地区の善楽流獅子舞保存会と蓬田神楽保存会が続いた。新橋が何代にもわたって末永く役割を果たせるようにとの願いから、舞川1区の菅原敏男さん(81)方、同2区の千葉長さん(78)方、同8区の熊谷典男さん(81)方の3世代夫婦3組も参列し、橋の中央から舞川側に向かって車道約200メートルをゆっくりと歩いた。歩道では中里、舞川両地区の幼児と保護者が風船を飛ばして開通に花を添えた。

 羽織はかま姿で妻、長男夫婦、孫夫婦、ひ孫と一緒に渡り初めを終えた千葉さんは「開通を待ちに待っていた。新しい橋をこうして渡ることができ、長生きして良かった」と笑顔を広げていた。

 柵の瀬橋の旧橋は1963年の竣工から55年が経過して老朽化が著しいほか、幅員も狭く、歩道もなかった。県は国土交通省の一関遊水地事業と一体的に整備することとし、2013年度に新橋建設の事業に着手した。

 柵の瀬橋の新橋は全体工区1・3キロ、総事業費約78億円。橋梁(きょうりょう)部693メートルは県内の北上川に架かる橋で2番目、コンクリートの橋では最も長い。幅員は道路部12メートル、橋梁部10・5メートル。車道2車線のほか、歩道2・5メートルが新たに整備された。

 旧橋は新橋から約100メートル上流にあり、20年度の事業完了に向けて撤去作業が今後進められる。

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