奥州・金ケ崎

53橋への思い一冊に 北上川に架かる橋 荻田さん、調査の集大成【奥州】

「北上川に架かる橋」を自費出版した荻田さん

 奥州市江刺館山の荻田栄治さん(77)は、北上川の53橋への人々の思いをまとめた「北上川に架かる橋」を自費出版した。30年余りにわたる調査の集大成が出来上がり、「通信交通史を研究する中で出会った橋をめぐる人々の思いを伝えたくてやってきた。感慨深い」と喜びを語っている。

 荻田さんは子供の頃から趣味で切手収集を楽しんでいたが、次第に郵政史研究、さらに通信交通史研究に高じていった。郵政史や交通史に関する自費出版を重ねているが、「岩手のトテ馬車」を出版する際に橋に関する資料に出合い、「いつかは橋についてもまとめたい」と考えていた。

 1980年ごろに橋を架けるために政府に提出された申請書類を見つけて40年近く。当初は桜木橋など身近な橋でとどめる考えもあったが、調査を進めるうちに四十四田橋(盛岡市)から河口付近の新北上大橋(宮城県石巻市)までの資料が乏しいことから「自分がまとめよう」と思い、6、7年前から53橋の踏査を本格化した。今回、印刷業者からの薦めでクラウドファンディングにも取り組み、4人の「パトロン」から5万3000円の出資を得ている。

 製本された自身の本について「戦前は民間架橋も多く、橋に対する地元住民の熱意は強い。そうした民間架橋の中には渡橋銭を取っていた橋などもあり、今では考えられないようなエピソードもある」と紹介。「校正で何度も見てきたが、本に仕上がると感慨は大きい」と喜んでいる。

 大掛かりとなった出版を終えたばかりだが、「人首川の橋も調べているので発表したい」とさらなる意欲を見せている。

 同書はA5判504ページで、税抜4630円。奥州市内の松田書店、サンエー書店のほか、花巻市の宮脇書店、盛岡市の東山堂で扱われる。問い合わせは荻田さん=0197(35)3315=へ。

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