北上・西和賀

湯田小に文科大臣賞 全国学校体育研究 運動習慣化で肥満解消【西和賀】

全国学校体育研究最優秀校の賞状を披露する山田君(右から2人目)ら湯田小の関係者

 西和賀町立湯田小学校(盛島寛校長、児童88人)は、日本学校体育研究連合会の2018年度全国学校体育研究最優秀校(文科大臣賞)に選ばれた。体育の授業の見直しと全校で運動する時間の拡大により、運動意欲の向上や健康状態の改善につなげたことが高く評価された。

 15、16の両日に佐賀市で開かれた全国学校体育研究大会佐賀大会で表彰が行われ、今年度の最優秀校は同校を含む3小学校が受けた。

 評価されたのは、15~18年度の4年にわたる授業の研究と実践。児童の7割がスクールバス・タクシーでの通学で体を動かす機会が少なく、運動習慣の定着にもばらつきがあったため改善を目指した。

 体育の授業では、時間の5割を使って体を動かせるよう、用具の準備や教諭の口頭説明に割く時間を抑え競争を取り入れたり、紅白帽子を目印にして教えられた動作の成否を可視化したりして、児童同士の教え合いや意欲につなげた。

 児童が主役となる取り組みも注目を集めた。業間休憩に、自由時間も確保した上で全校に呼び掛けた運動遊びを実施。保健委員が考案した▽雑巾がけリレー▽ダイコン抜き▽全校リレー―などに取り組み、チーム対抗で学期ごとに1位を競い、夢中になれる雰囲気を整えた。

 その結果、初年度に児童の17・8%だった肥満傾向は減少。18年度は11・4%となるなどの成果が表れた。

 19日は関係者が町役場沢内庁舎を訪れ、佐藤敦士町教育長に受賞を報告。保健委員長の山田陽介君(6年)は「プログラムを考えるのが大変な時もあるが、みんなの楽しそうな声を聞くと良かったと思う」とやりがいを語った。全校体育指導を担当する後藤孝一教諭(48)は「受賞が終わりではない。児童の健康や元気を育むため続けていかなくてはならない」と気を引き締めた。

 盛島校長は「体育は体を鍛えるだけではない。できること、分かることが増えると意欲につながる。プラスに働く要素を大切にしたい」と受賞の喜びをかみしめた。

 本県で通算3校目、同町では17年度の沢内小に続く受賞。湯田小は昨年度、優秀賞を受賞していた。佐藤教育長は「町に2校しか小学校がない中、運動好きの子供を増やし実績を出してくれた」とたたえた。

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