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岩手競馬 24日レース再開 「公正確保」担保に決断

会見で24日からのレース再開を発表する県競馬組合の関係者

 岩手競馬の競走馬から4頭目の禁止薬物が検出されレースが中止になっている問題で、県競馬組合(管理者・達増拓也知事)は21日、盛岡市の盛岡競馬場で会見を開き、24~26日の水沢競馬場開催のレースを再開する方針を明らかにした。原因究明に至っていないものの、監視・警備体制の強化などの再発防止策に加え、24日以降の今シーズンのレースでは、水沢競馬場在厩(きゅう)馬の出走予定全頭の禁止薬物事前検査を実施することで、競馬の前提条件である「公正確保」が担保できるとし、再開を決断した。

 会見には内宮明俊副管理者をはじめ、深澤正光業務部長、小上俊雄経営管理部長らが出席。

 同組合は再開に向けた再発防止策として、盛岡、水沢両競馬場の厩舎地区にカメラを増設し稼働させたほか、警備員の24時間配置、厩舎関係者による管理体制の構築、盛岡、水沢両競馬の全37厩舎への立ち入り検査の随時実施、水沢競馬場の管理体制強化などを挙げた。

 さらに、水沢競馬場の在厩馬については、24日以降の出走予定馬全頭について、禁止薬物の事前検査の実施を決めた。仮に禁止薬物陽性馬が発生した場合は当該馬を除外してレースを行う予定。盛岡競馬場在厩馬が水沢競馬場のレースに出走する場合は、9月に実施した全頭検査の結果を踏まえ事前検査は行わない方針。

 禁止薬物陽性馬が3頭発生した水沢競馬場の高橋純厩舎については、厩舎や周辺で使用中の飼料や寝わらを廃棄し、厩舎内の洗浄を実施した。

 レース中止の長期化による赤字転落も懸念されたが、6日間のレース中止による損失は1億400万円に上るものの、24日からのレース再開により1億8200万円の黒字が確保できる見通しを示した。

 18日実施予定だったダービーグランプリについては、12月10日に代替開催する方針も明らかにした。レース再開について達増知事は「再発防止に取り組むとともに、魅力あるレースを提供しファンや競馬関係者、県民の信頼回復に努める」とのコメントを出した。

momottoメモ

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