県内外

開通へ膨らむ期待 奥州と北上結ぶ国道新トンネル 「梁川口内」に決定 2小学校で銘板披露

梁川口内トンネルの銘板を除幕する口内小児童

 県が奥州市江刺梁川-北上市口内町で整備を進めている国道107号トンネルの名称は「梁川口内トンネル」に決定した。21日は口内、梁川両小学校で児童が揮毫(きごう)した名称の銘板がお披露目され、2018年度末のトンネル開通へ期待を膨らませた。

 これまでは仮称梁川トンネルとしていたが、現場見学会で口内地区の地域住民から「ぜひ口内の名前を」との声があり、最終的に両地区の名称を採り入れた。

 両校児童は17年夏に工事現場を見学し、一人ひとりの思いを込めたメッセージボードを坑内の防水シートに貼り付け、5月の貫通式にも出席し、関係者と喜びを分かち合った。開通を控え形に残るものとして、両側のトンネル坑口部の上部に取り付けられる銘板の文字も揮毫した。

▲銘板の裏側にメッセージを書き記す梁川小児童

 同日は県南広域振興局土木部職員や施工業者関係者が両校を訪れた。口内小(伊東洋司校長、児童52人)ではセレモニーに全校児童と地域住民が参加し、同部職員がトンネル名称を発表。6年生11人と関係者が銘板を除幕した。

 揮毫した昆野隼人君(6年)は「トンネル工事現場を見学し、岩盤をあんなに深く掘り進める様子に衝撃を受け、発破の爆音もズシンと響いた。何十年後に僕の書いた文字が変わらず残るのは誇り。このトンネルが岩手の復興に役立つことを願っている」と力強く話した。

 梁川小(梅木康行校長、児童46人)では6年生9人が揮毫。地域住民らが見守る中、6年生と関係者で除幕した。

 代表して菊池来偉君(6年)が「トンネルができれば北上が近くなり、たくさんの人に江刺に来てもらいたい。自分たちの書いた文字が50年以上も残り、多くの人の目に触れるのはすごいこと。通る人が無事に目的地に着いてほしい」と思いを語り、全校児童で銘板の裏側に「工事をしてくれてありがとう」「安全祈願 梁川に感謝」などのメッセージを書き記した。

 トンネルは1022メートルで既に貫通。来年3月の開通に向け、現在は舗装や電気、防災設備などの設置、接続道路の工事が進められている。

 開通すれば現道の急カーブ、急勾配(こうばい)が解消され、交通環境が大きく改善。北上市をはじめ金ケ崎町、奥州市江刺の各工業団地と釜石道江刺田瀬インターチェンジとのアクセスが向上し、沿岸部と内陸部の物流観光面で大きな効果を発揮しそうだ。

momottoメモ

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