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アスベスト被害者支援 患者と家族の会 15日、盛岡で相談会

会見を開いた中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会東北支部の尾形事務局員(右)と世話人の中里さん

 発がん性のあるアスベスト(石綿)被害で困っている人やその家族のための相談会は、15日に盛岡市のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で開かれる。アスベスト被害の患者や家族、遺族でつくる団体が開くもので、被害者の補償や救済、治療などに関する相談に応じる。電話相談を受けるホットラインも開設する。

 相談会を開くのは、健康被害の相談や労災申請を支援する活動を行う「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」東北支部。当日相談に応じる同支部の尾形海子事務局員と、世話人でアスベストによる悪性胸膜中皮腫で2011年に夫=当時(56)=を亡くした中里ひで子さん(60)=花巻市=が、6日に県庁で会見を開いた。

 アスベストは1980年代まで建材などに使われ、吸い込むと中皮腫や肺がんなどを引き起こす恐れがある物質。尾形事務局員によると、2006年までに使用が全面的に禁止されているが、症状が出るまでの潜伏期間は40年前後と長く、今後発症する人が増える可能性があるという。

 同支部が14年8月の発足から今年3月末までに東北6県で取り扱った相談件数は4年間で198件。このうち労災申請を支援し認定されたのは10件、企業との和解交渉が成立したのは2件あるが、本県の労災認定や救済率は全国で最も低く、自身が受けた被害がアスベスト被害によるものだと認識していない人も多くいるという。

 相談会は、適正な補償や救済を受けるきっかけになるよう、また同じ境遇や病の人と知り合いたい人などを対象に開催。中里さんは「夫が発症した9年前は情報を得る手段がなく、労災の申請などの手続きはあまりにも難題で私一人では諦めてしまっていたかもしれない。相談会でその人たちの手助けに少しでもなれたら」と語る。

 相談会では、アスベストに関する医療・補償・調査などの相談を受け、必要があれば専門医や弁護士を紹介する。相談は電話、対面いずれも予約不要で無料。時間は午前10時30分から午後3時まで。電話は同支部=080(8217)5022=へ。

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