花巻

新年の息災祈願 貴船神楽保存会 きょうまで門付け【花巻】

地区内の家々を回って福を招く権現舞を奉納する貴船神楽保存会

 花巻市石鳥谷町の貴船神楽保存会(葛岡一男会長、11人)の門付けが8日、同町南寺林地区で行われた。同会の神楽衆が家々を回って権現舞を奉納し、今年1年に感謝するとともに、新年の無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈った。9日までの日程で地区内62戸を回る。

 地区内にある800年の歴史を誇る貴船神社の氏子を対象にした年の瀬の恒例行事。1年の無事と新年の福を届けるために行われ、かつては旧正月に行われた時期もあったが、12月の第2土曜、日曜日に定着。市無形文化財の指定を受けている同会が伝統を守っている。

 貴船神社に神楽(しんがく)を奉納した後、神楽集が太鼓、かね、笛の道具一式を携え、時折小雪に見舞われる厳しい寒さの中、家々を回った。各家庭の玄関や神棚には新米や新酒などが供えられ、神楽衆がその場を清める下舞の後、権現舞を奉納した。

 同日は30戸余りを回った。幼い孫たちの健やかな成長を願ってハンカチを供えた小田島芳子さん(63)は「毎年来ていただいて感謝している。来年も家族が元気で過ごせられるようお願いした」と話していた。

 葛岡会長(75)は「新年の息災を祈願した年の瀬の恒例行事。私が生まれる前から続いているのでこれからも福を届けられるようにしたい」と語った。

 9日は残りの世帯を回る。

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