奥州・金ケ崎

科学の甲子園ジュニア大会 本県チーム全国8位 胆沢中、実技課題で特別賞【奥州】

企業特別賞「スカパーJSAT賞」となった課題を見ながら科学の甲子園ジュニア全国大会を振り返る胆沢中の(左から)川又君、伊藤さん、千田さん

 第6回科学の甲子園ジュニア全国大会で奥州市立胆沢中学校(関向正俊校長)2年の川又悠君(14)、千田春野さん(14)、伊藤優夏さん(14)らでつくった岩手県チームが、8位入賞を果たした。3人が担当した実技課題では他校には見られない造形が高く評価され、企業特別賞「スカパーJSAT賞」を受賞。同校としては初の入賞で、3人は「まさか入賞できるとは思わなかった。うれしい」と喜びを語っている。

 同校は8月の県大会で連覇を果たし、2位の福岡中のチームと共に岩手県チームを結成し全国大会へ出場。全国大会は統合前の小山中学校から通算で3回目。茨城県つくば市で今月7日に開幕し、8日に競技が行われた。

 筆記、実技の合計点で競い、実技は実験技術を競うものと事前に出された課題に取り組むものの二つあり、胆沢中は事前課題、福岡中が実験を担当した。

 課題の「ザ・キューブ2~アルミのローラーコースター~」は、縦横高さ全て45センチの空間内にアルミテープで作った走路をステンレス製の球をゆっくりと転がして落とし、所要時間の長さを競う。ワイヤーネット、プラスチック製L字アングル、針金など市販品を組み合わせるが、材料を減らすとタイムボーナスが与えられる。

 胆沢中は得点を考慮してワイヤーネットを使用しないこととし、4本の柱でフレームを作るデザインを考えた。球が振り子のように落ちるよう走路を緩やかに湾曲させ、さらに30段とした。本番に向け、フレームをリーダーの川又君、30枚の走路を千田さんと伊藤さんが作り、フレームが完成した時点で、川又君が走路を、千田さんが取り付け調整を担当する連係に磨きを掛けた。その結果、制限時間内で3分40秒まで延ばした。

 本番では、フレームを担当した川又君が「普段よりも早く組み立てられた」と言うものの、組み立て方を間違えてしまい、組み立て直しになった。それでもあせらずにスピードアップして作り上げて挽回。タイムは2分30秒となり、小差で並ぶ中5位に入賞した。

 6人による筆記と、二つの実技を合わせた総合得点では、福岡中が実技で4位入賞したこともあり8位。当初目標の全国入賞(10位以内)を果たした。

 川又君は「製作の速度は上がっていて練習より早くできた」、千田さんは「全部が早かった」、「声を掛け合って頑張った」と入賞の要因にスピードを挙げた。また、指導に当たった佐々木愛香教諭によると「他の学校とは全く違ったデザインで人だかりができた」という。3人は「発表されるまで、(特別賞受賞は)ないと思っていた」が、企業特別賞の栄誉を受け、「素直にうれしい」と口をそろえた。

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