一関・平泉

芦東山 小説に 直木賞作家 熊谷達也さん著 「潮」で連載開始【一関】

小原書店に設置された熊谷達也特設コーナー。潮1月号で「芦東山」の連載が始まった
地元大東、歓迎ムード

 一関市大東町渋民出身の儒学者で、刑法思想の先駆者とされる芦東山(1696~1776年)を題材とした小説「芦東山」が、月刊誌「潮」で連載を開始した。筆を執るのは仙台市在住の直木賞作家熊谷達也さん(60)。地元からは地域の偉人が小説の主人公に選ばれたことに歓迎の声が上がっている。

 芦東山は江戸時代の儒学者で、仙台藩5代藩主伊達吉村に仕えた。江戸で師事した室鳩巣から中国儒家の刑律に関する説の編纂(へんさん)を頼まれたが、藩が学問所を建てる際に席次に関する願書を出したことから反感を買い、24年間の幽閉生活を送った。この間、刑法思想の根本原理を論じた「無刑録」を完成させた。

 小説では芦東山の生涯を2年かけて描く予定。潮1月号に掲載された第1話では「奥州仙台領の奥、磐井郡渋民村で大肝入を務める岩渕卯左衛門の息子、善之助(後の芦東山)」が、村の仲間たちと砂鉄川の岸辺で遊ぶ様子や当時の暮らし、伊達藩の状況などがつづられている。

 熊谷さんは仙台市出身。中学校教師、保険代理店業などを経て、1997年に「ウエンカムイの爪」で作家デビュー。東北地方や北海道の民俗、文化に根差した作風で知られ、2004年に「邂逅(かいこう)の森」で山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞を果たした。

 連載開始を前に、生家跡や室根山など芦東山の足跡を視察に訪れた熊谷さんを案内した芦東山先生顕彰会の菊池徳夫会長は「講演会を聴いたことがあるが、もともとは理系ということで論理がしっかりしているという印象だった。今後も必要なことがあれば、協力していきたい」と小説の展開に期待を込める。

 同町摺沢の小原書店では、潮1月号の発刊に合わせて特設コーナーを設けた。小原玉義店長は「渋民を中心に早速買いに来る人たちがいる。少年時代の様子が温かく描かれていると好評だ」と反響を喜んでいる。

momottoメモ

▲東北を描く直木賞作家・熊谷達也さん著作から

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