食品ロス減少へ 花巻市 「30・10運動」 ポップ作製、実行呼び掛け
花巻市は、食べ残しを捨てたり、まだ食べられる食材を廃棄したりしてしまう「食品ロス」を減らす取り組みとして、宴会での食べ残しを減らす効果のある「30・10(さんまる いちまる)運動」を推進している。周知のために卓上ポップを作製して飲食店や旅館・ホテルなどでの実行を呼び掛けている。
国のデータによると、日本では年間約2842万トンの食品廃棄物を排出し、このうち2015年度推計で食品ロスは年間約642万トンと試算されている。日本人1人当たりに換算すると、毎日茶わん1杯分の食べ物を捨てているのと同じという。
同市では、食品ロスを減らす取り組みとして全国で注目されている「30・10運動」に着目。同運動は、乾杯から最初の30分間は席に着いて料理を楽しみ、そしてお開き前の10分間を自分の席に戻って料理を残さず食べようという取り組み。11年に長野県松本市で始まり、宴会では席を離れて酒を酌み交わすために、手を付けられないままの大量の食べ残しが出てしまうのが課題だったが、運動によって食べ残しを減らす効果が生まれている。
運動を広げるために花巻市ではテーブルなどに設置する卓上ポップを17年度に作製。縦20センチで「乾杯後の30分」「お開き前の10分」「席でお食事を楽しみましょう」を配置し、最上部は「みんなで減らそう!たべのこし」の文字を入れて実行を周知している。市公式キャラクター「フラワーロールちゃん」もデザインされた。
飲食店や旅館・ホテル、市民に協力を呼び掛けているほか、運動に取り組む飲食店などを県が登録する「もったいない・いわて食べきり協力店」を市ホームページ(HP)を介して紹介するなど応援している。
市生活環境課の藤原拓也資源循環係長は「お酒を飲む機会が増える忘年会シーズンに入ったので、お店の料理も楽しんでもらい、食品ロスが減るよう理解と協力を頂きたい」としている。
ポップは市HPから入手できる。