県内外

2人1団体に決定 岩手日日文化賞 学生賞は2校

松竹演芸場の公演パンフレットを手に当時を振り返り、笑顔を見せる佐々木利男さん
長年にわたり衣川の方言収集に取り組む小野寺精一さん

 各分野で優れた功績を挙げている個人、団体をたたえる岩手日日新聞社の第36回岩手日日文化賞に2人、1団体が決まった。学生賞は2団体が受賞する。贈呈式は、2月26日午後2時から一関市大手町の一関文化センターで行われる。

【10、11面に関連】

 文化賞を受賞するのは、芸術・文化部門が佐々木利男さん(81)=平泉町長島=、学術・研究部門が小野寺精一さん(80)=奥州市衣川=、地域振興部門が花巻市大迫町の大迫・宿場の雛(ひな)まつり実行委員会(山影義一会長)。学生賞は、花巻市の県立花巻農業高校鹿(しし)踊り部と北上市の市立上野中学校吹奏楽部。

 佐々木さんは、民謡歌手として活躍し、地域で埋もれた民謡の発掘、継承に取り組む。コンテストをきっかけに民謡歌手となり、県南や宮城県北で民謡教室も開催。60年余りにわたり民謡の普及、愛好者の拡大に尽力している。

 小野寺さんは、30年余りにわたり地元の方言の収集活動を行い、約7000語を集めた。同じ言葉でも地域や年代で言い方が違うといい、類語の収集にも努力。2014年4月から本紙で「炉端語り」を連載し、好評を得ている。

 大迫・宿場の雛まつり実行委は、ひな人形で商店などを彩る「おおはさま宿場の雛まつり」を開催し、地域のにぎわい創出に取り組んでいる。県内のひな祭り行事ではトップクラスの長い歴史を持ち、早春の風物詩として定着している。

 花巻農高鹿踊り部は、花巻市東和町落合に伝わる春日流落合鹿踊の伝承に取り組み、第42回全国高校総合文化祭の郷土芸能部門(伝承芸能、和太鼓)で最優秀賞(文部科学大臣賞)を獲得。地域イベントをはじめとした公演は年間約30回に上る。

 上野中吹奏楽部は、国内最大の音楽コンクールとされる第66回全日本吹奏楽コンクール中学校の部に出場し、県勢として初の金賞に輝いた。部員が心を一つに伝統の“上中サウンド”を響かせ、本県音楽史に新たな歴史を刻んだ。

 贈呈式では、受賞者の小野寺さんが「方言から学んだこと」と題して記念講演する。

 岩手日日文化賞は、岩手県南、宮城県北地域の各分野で活躍する個人、団体が対象。創設した1983年度から前回までに学生賞を含めて84人、87団体が受賞している。

momottoメモ

積み重ねた努力、ここに花開く
岩手日日文化賞 受賞者の紹介

芸術・文化

佐々木利男さん(81)平泉町
民謡一筋60年余、出会い宝に

学術・研究

小野寺精一さん(80)奥州市
伝えたい衣川の方言集編纂

地域振興

大迫・宿場の雛まつり実行委員会
早春の風物詩 地域と育む

学生賞

花巻農業高校鹿踊り部
全国高文祭最優秀賞

北上市立上野中学校吹奏楽部
全国コンクール金賞

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