北上・西和賀

地元の土でスマホ音量アップ 陶器製スピーカー「浮牛フォン」が大人気【北上】

口内町の土で作られたスマートフォン用の陶器製スピーカー「浮牛フォン」
12日から限定販売

 北上市口内町で採取した土を使って制作された、スマートフォン用の陶器製スピーカーが話題となっている。地元産直施設で2018年11月以降2度販売され、即日完売するほどの人気ぶり。衰退する地域を憂い、「若者に関心を持ってもらい、地域の活気につなげたい」という作者の思いが、スマホの音量増幅とともに地域への注目度アップに貢献する。次回は12日から同町の産直施設「あぐり夢(む)くちない」で販売される。

 作者は陶芸に励む同町の福士謙治さん(67)で、スピーカーの名称は「浮牛(ふぎゅう)フォン」。

 口径約10センチ、奥行き約13~15センチの大きさで、スマートフォンのスピーカー部を本体に差し込むと音量が増幅される仕組み。陶器の焼き具合によって柔らかい音を発したり、高音が響いたりと音質に変化が出る。手作りのため1点ごと微妙に大きさや形が異なるため音にも変化が生じ、購入者にとっては電源いらずの世界に一つだけのスピーカーとなる。

 同町で毎年8月に開催されている「浮牛城まつり」にちなんで命名。形も鼓型のスピーカー部に足を付けて牛に見立てている。

 陶器製というアナログな商品とデジタル機器の象徴であるスマホという一見不釣合いに見える組み合わせが、インテリアとしても落ち着きと渋さを漂わせる。

 これまでに昨年11月と12月に販売会が開かれ、計約30個が即日売り切れた。一度に4台購入した花巻市大迫町の主婦守山節子さん(66)は「スマホを手に持ち音楽を聞いている孫の姿を見て、置いて音楽をゆっくり楽しんでもらいたいと思い家族の分を含めて購入した。音が柔らかく感じるのもいい」と満足げな様子。

 同産直のリニューアルオープンイベントに合わせて12~14日に20個程度販売する予定。価格は1個2500~3500円程度。同産直の営業時間は午前9時~午後5時30分。

 問い合わせは同産直=0197(69)2200=へ。

momottoメモ

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