奥州・金ケ崎

被災地支援「得意なことで」 角田さん(千葉・柏市)が講演 岩谷堂高【奥州】

国内外で支援活動に当たる角田さんを招いた岩谷堂高の講演会

 被災地の支援などで活動している角田寛和さん=千葉県柏市=を招いた講演会が15日、奥州市江刺の岩谷堂高校(大内高志校長)の1年生146人を対象に開かれた。ちょんまげに甲冑(かっちゅう)という特徴ある姿で東日本大震災をはじめ国内外の被災地を支援している角田さんは「自分の得意なことで誰かのためになることが大事」と生徒に呼び掛けた。

 角田さんは、ちょんまげと青い甲冑でサッカー日本代表を応援する「ちょんまげ隊のツン隊長」として活動。東日本大震災をきっかけに災害被災地の支援活動を始めたという。同市では、角田さんの活動を知った大内校長が前任の前沢高校で2度講師に招き、岩谷堂高では2017年度に続いて2回目の講演となった。

 講演会では、角田さんが▽災害は他人事ではない▽想定すること▽ボランティアのハードルを下げたい▽幸せの物差し▽共生―をキーワードに支援活動に取り組むきっかけや活動で知った避難生活などを語った。

 この中で以前は「ボランティアは特別な人がやるもの」と考えていた角田さんが、東日本大震災で「食べ物や衣服が無いとネット上で悲鳴が上がっていた」ことをきっかけに自身が経営する靴店の倉庫から靴600足を持って支援活動に入ったという。

 「2度としないと思ったが、避難所の体育館の床で自分の娘と同じくらいの子供たちが寝起きしているのを見ていたら、『また来週来るよ』と言ってしまい、必要な物品を持って通った」とその後も支援活動を継続。さらに熊本地震、西日本豪雨、ネパール地震と支援が続いている。

 また、「物の見方はそれぞれ違う。耳を傾けて相手の価値観や物の見方を聞いてほしい」と多様性を受け入れることを強調。「続けるには自分が得意なことで誰かのためになることをすること。自己満足が最初の一歩には必要だと思う」と支援活動継続のこつを伝えた。

 最後には、角田さんがプロデューサーを務め、福島県南相馬市の児童生徒でつくるマーチングバンド「Seeds+」を取り上げたドキュメンタリー映画「MARCH」を上映。「風化させないためにも見る支援、伝える支援、直接支援をお願いします」と呼び掛けた。

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